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大下智のビジネスコラム

弊社常務・大下智・略歴

(株)リコーの国内マーケティング部門において40年以上のキャリアを持つ。
マネージャー
としては、福井リコー敦賀営業所所長を皮切りに、以後
同社営業部長、兵庫リコー営業本部長、岐阜リコー社長、愛知リコー社長、
リコー販売事業本部副本部長、リコー中部社長などを歴任。そのいずれもを
リコーグループのトップ会社へと牽引し、2004年にはダイヤモンド誌の
「日本の営業40人」に選出される。
また、現在、出身地・福井県若狭町のふるさと大使としても活躍中。
                 著書に自身の体験を綴った『リーダーの覚悟』が2018年3月26日発売。

大下智のビジネスコラム【――素描――】 バックナンバー

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第50回・主体的な強い意志とその実践が「自らの人生を変える!」

2015-02-12
インフルエンザが猛威を振るっています。
私の関わるIT企業(社員90名)でも約一割の社員が感染、
その中には半年間にわたる厳しい自己啓発に取り組み中のK君も
含まれていました。
しかもその彼には二週間後(1月31日)に、7級職(課長、マネージャークラス)
への昇級、昇格試験が控えていたのです。

昨年11月10日からの管理者能力養成研修を機に、彼の大変身を期待しつつ、
私なりに励まし、具体的なアドバイスも続けて来ただけに、
このタイミングの悪い感染は我がごとのようにショッキングでありました。
どうしたものかと考えた末の結論は、自宅に隔離された彼に対し、
思い切り優しい気持ちで、鬼のような言葉をかけて接するしかないと
言葉を発しました。

「いいか!インフルエンザにかかったことも実力のうちだ!
38度39度の熱がどれだけ辛く、無気力になるかはよく知っている。
俺も昨年経験しているからだ。11月13日から1日も休まず
自己啓発を続けて来たことを無駄にしてはいけない。
試験日までの自己啓発は少しは減らしてでも毎日続けろ!
同時に毎日試験勉強は続けること、特にeラーニングは熱があっても
比較的耐えられる筈だ。また論文のテーマは支店長という職位からは
“業績達成と人財育成”と仮定して書いても大きく異なるタイトルが
出る可能性は少ない」
これに対し、絞り出すような声で「ありがとうございます。やります」が
返ってきました。

試験の終わった直後、彼から電話がかかって来ました。
「今、終わったところです。私としては半分できたかどうかというとこですが、
何かホッとした気持ちです」と報告してくれました。

筆記試験は、問題解決、一般常識にeラーニングを絡めたもので、
かなり難易度が高かったようです。
因みに昨年の受験者の平均点は50点くらいで今年もそれは変わらないようです。
論文でかなり挽回している(実は先日、7級受験者5名、5級受験者12名の
採点をしたところ)のでよほど筆記試験が悪くない限り大丈夫だとも
思っています。彼の昨年の論文の内容からは格段の進歩です。
問題解決の出題、採点は外部機関に委託しているので、最終結果が出るのは
半月後の16日の予定です。

もともとK君、個人の業績はトップクラスながらも、支店全体の業績を
自分の業績でカバーすることが多く、部下育成には大きな課題を抱えていました。
昨年、5月、同社の方針発表会で昇級昇格試験に関しこんな話をしました。

「合格した人は次のステージをめざし頑張って下さい」
「惜しくも合格がかなわなかった人は、以下の二者択一で選択して下さい」

? あきらめる
? 次回必ず合格するように努力をする

人生には選択の機会が何度もあります。
「有意義で充実した人生を選ぶか?」
「楽ができる人生を選ぶか?」

大半の人は有意義で充実した人生を選びますが、そのために努力を惜しまずに
頑張るという自らの強い意思で試練に立ち向かう行動を起こす人は稀です。

「人が成長するときは自らが成長したいと思ったとき」これが私の持論の
一つですがK君が、昨年の昇級、昇格試験に失敗した時、
「次回、必ず合格するように努力する」を選択したのです。
3ヶ月前、会社が半年間の研修の機会を与え、本人もその期待に応え、
自己啓発を一日も欠かかさず続けています。

彼の姿に部下が感化され、またK君自身のマネジメントにも変化が現れ、
業績も安定したものになりつつあります。
まさに彼の主体的な強い意思で「充実した有意義で充実した人生」を
歩み始めたと言って良いでしょう。

第49回・トップダウンとボトムアップ

2015-01-14
新年明けましておめでとうございます。
月に一回のこのビジネスコラムを始めてから、
早いものでもう5年目に入りました。
今年も、自らが見聞きしたこと、体験したことを絡めながらの
スタイルを崩さずに当コラムを続けて参りますので
お付き合い下さいますようお願い致します。

前回のコラムでも触れましたがA社時代の二年目から、仕事始めの初日は、
全社員が一堂(今池にあった厚生年金会館)に会し朝から夕方まで
KAIZEN事例をシャワーのように浴びました。

七名でのセンター会議(経営会議)で決定したものの、
当然のことながら賛成意見ばかりではありませんでした。
理由はと言いますと「何も仕事始めの初っ端から始めなくても?」とか
「参加者は正月気分(年末年始休暇)どころではありません。可哀想ですよ」と
いった意見が多くありましたが、発案者でもある私の
「サッカーの天皇杯元日決戦を観たことあるでしょ?
出場チーム、出場選手は嫌がっていますか?誇りに思っている筈ですよ」と
いう言葉で最終的には全会一致で決しました。

トップダウンの事例を付け加えます。これもA社での事例です。
A社社長就任の翌年、前年までの巨額の赤字から一転、何としても
黒字化を果たす、それが出来れば一気に黒字体質へと変革できる。
そのためには管理職の意識改革が不可欠との強い想いから、
課長代理以上に対する役職手当の一時カットを行いました。
但し3月期決算にて黒字化の暁にはカット分の倍返しという
条件付きです。因みに当時課長代理の手当は4万円でした。
私の手当ては10万円だったと思います。その6ヶ月分ですから
それぞれ24万円、60万円、これが期末賞与のような形で返って来るというもので、
メーカー直系の特に東京、大阪に次ぐ販売会社としては
少々荒っぽい政策だけに、当時の管理本部長が猛反対するのもうなづけます。
本部長の「黒字にするのが当たり前の仕事!仕事を賭け事のようにしないで下さい」
に対し「それじゃあ今までどうしてできなかったのですか?管理職全員が
痛みを感ずることで経営参画を促すのです」で納得を得て、
翌期には一気に高額所得法人入りを果たし、このことが以降も
長く続く好業積のきっかけになったと今も信じています。

ボトムアップがダメで、トップダウンが絶対だとも言うつもりは毛頭ありません。

ただ長きにわたる経営者の立場からは、経営的観点からの意思決定は
トップダウンでなければならないと思っています。
もちろんその時々の経営環境を鑑み、社員の意見を無視するどころか、
むしろ意見には耳を傾けることが前提の判断です。
やるべきかやらざるべきかの意思決定は経営視点で決しなければ絶対ダメです。
ボトムアップでは時としてやりたい、やりたくないの感情論が出やすく、
正しい判断を誤らせる危険性を孕んでいるからです。

もっともこれまで一度も自分一人の判断で意思決定をしたことはありませんが。
仮にトップ一人の判断での意思決定であったとしても、全社員が総意として
受け止め、行動して行く。それが本当に強い会社なんだと
信じてやって来ましたし、これからもこの考え方は変わりません。

追記
先日、リコージャパンのT部長(当時課長代理)に役職手当カットのことを話すと
「よく憶えています。でも倍返ししてくれましたよね」と言っていました。

第48回 停滞は後退

2014-12-10
遂に円安が120円を突破しました。
輸出企業の多くはこの大幅な円安の恩恵を受けています。
その代表格というに相応しいトヨタの15年3月期の
決算予測は純利益2兆円です。
世界一の自動車メーカーですから大幅な円安の恩恵
(1350億円の予測も更に上振れか?)は半端ではありません。

ですがこの為替の影響を差っ引いたとしても、とてつもない
大きな利益が出ているのです。
ご承知の通り、もはや国際語ともなったKAIZENの効果による
コストダウンが大きく寄与しているのも決して
見逃すことのできない事実であります。
トヨタは乾いたぞうきんをまだ絞るとよく言われます。
終わりのないKAIZEN活動を絶え間なく続けているのです。

現役時代、当時リコーの社長桜井が、何とそのオールトヨタの
KAIZEN大会にての講演を依頼され、そのお供として
参加させてもらったことがあります。
トヨタにならい日本の製造業でもKAIZENを進めている企業は非常に多いです。
私が40年余り在籍したリコーでもごたぶんに漏れず、特に製造部門においての
KAIZENNにはかなりの歴史があります。

2003年販売事業副本部長の時、初めて国内販売部門も
参加することになりました。
その直近、つまり愛知リコー時代でのことです。毎年一月の初出勤の日に、
名古屋の厚生年金会館に全社員が集まり、「あけましておめでとうございます」の
ご挨拶に続いて「愛知リコーKAIZEN大会」を実施していました。
まさに初出勤の初日は全社員が一堂に会し、朝から晩までKAIZENという
シャワーを浴びていた時間だったとも言い換えることができます。

表敬訪問の折、何社かのお客様にこのことを話しますと感心されたご様子で、
一様に「販売会社でね?」という言葉が返ってきたのが思い出されます。
大赤字会社がわずか1年でV字回復を果たし、私が3年半務めたあとも
嬉しいことに後任社長がこれを続けてくれました。

後任へのバトンタッチの翌年、それまでリコーグループの製造会社を対象にしていた
優秀経営賞リコーアワードが販売会社を含む全世界250社に拡大されました。
愛知リコーがノミネートされましたが、惜しくもヨーロッパ3ヶ国を
エリア領域とする販売会社に栄冠が輝きましたが、
愛知リコーがこれに続いたと聞いたことが記憶に新しいです。
その直後、愛知リコーが国内販売会社のトップとして別途表彰されました。

様々な取り組みが奏功したことは言うまでもありませんが、仕事始めの初日、
全社員参加の「KAIZEN大会」がこの受賞と無縁だった訳がないと
今も確信しているのです。

業績に目立って陰りが見えない限り、人には変化を嫌う傾向があります。
どうして、余計なことをやるのか?今やっている仕事の何処が悪いのか?
何も問題はないじゃないか?などと変えることを嫌うのです。

私たちを取り巻く環境は目まぐるしく変化しています。高齢化、少子化による
労働力不足、インターネット普及による瞬時の情報伝達のスピード、
業種間の垣根を越えた新規競合会社、競合商品の参入等々脅威を
数え上げればきりがありません。

何も変えないは停滞を意味し、停滞は後退、衰退へとつながって行くのです。

二か月前からスタートした、弊社の全部門を超えてのSLリーダー研修の真の狙いは、
リーダー一人ひとりが、個人として、またチームのリーダーとして
仕事のやり方を見つめ直し、常に考える習慣を身につけ、
終わりなきKAIZENへとつなげようというものです。

第47回・もう一度「知のトライアスロン」

2014-11-12
11月12日(つまり本日です)発信予定のメルマガの準備がほぼ整い、
本日(11月10日)その最終の推敲を果たそうとの予定でしたが、
前月のメルマガで触れた「知のトライアスロン」と称するに相応しい、
管理者能力養成研修にオブザーバーとして参加し、
名古屋市の港区役所に近い会場から帰社したところです。

今回、予め準備していた発信予定のメルマガに代え、数時間前まで、
その「知のトライアスロン」の第一ステップ(二泊三日)の開所式および
午前のまさに背筋がピンと伸びる研修を目の当たりにして急遽、予定を変更し、
その概要とホットな情報をお届けすることにしました。

この研修を主催するのは株式会社アィウイルです。
かねてから一度、お会いしたいと思っていた「上司が「鬼」とならねば
部下が動かず」の著者でもある染谷社長からも直接お話を伺うことが出来ました。
「上司が鬼とならねば?」の著書の内容については割愛しますが、
お話の中で「必ずしも鬼とならなくとも良い人もいます。
部下は上司の一挙手一投足を見ています。尊敬し信頼される上司に
なるということがあるべき姿であり、素直にしかも指示をしなくても
先んじて動くものです」と話されたことには大納得です。

先ず、この六ヶ月間管理者能力養成研修の三大目的についてですが
1.習慣を変える
2.考える力を伸ばす
3.意識を高める
の三つです。
二泊三日の合同研修では基本訓練、意識改革に始まり、自己の弱点、
欠点を明らかにし、そこから「20の誓い」を作成します。
第二ステップでは六ヶ月間にわたって「20の誓い」を実行、
読書を中心に「読み書きそろばん」の実習、加えて月一回の
通信添削教育と続くのです。
第三ステップは六ヶ月後に一泊二日の完成合宿で終了となります。

因みにこの研修の歴史は古く、今回も参加しておられますが、
岐阜のある優良企業(岐阜本社、東京本社)では10年も前から
500人も受講しているのには驚きです。

開所式での染谷氏のお話で最も印象に残った言葉を以下に記します。

犠牲的精神を持て!
今の世の中、自分さえ良ければという自分勝手な人が大勢居る。
犠牲的精神を発揮するということは自分を犠牲にすることであり、
他人を生かすために自分が犠牲になることだ。
ところが、このことが、本人が望む、望まないの意思に関係なく
何か月か後だったり、何年か後になって、必ず会社にとっても、
社会にあっても最も必要とされる人間になっている。
当然のことながら所得が増え、地位も上がって重要な
仕事を任されるようになる。
環境の変化の激しい時代にあっては、リストラが避けられない事態を
招くことだって有り得る。
万が一そういう事態が訪れたとしても、最後の最後まで踏みとどまるように
要請されるのが、犠牲的精神を発揮する人達である。
という骨子です。

礼儀、発声といった基本行動をスタートとする合同合宿に始まるこの研修。
六ヶ月間にわたる自分自身との戦いになるであろう日々連続しての自己啓発、
逃げたくなるような衝動にかられたり、挫折しそうな気持ちに
なることもあるかもしれません。
そういう己に打ち勝ちやりきった時に、これまでとはまったく違う
新しい自分が待っていることを信じて頑張って欲しいと願っているのです。

余談になりますが、このメルマガが届いたころ、第一ステップの終わり頃に
なると思いますが、研修会場にてコメントするよう要請されています。

第46回・新たな挑戦“知のトライアスロン”

2014-10-08
中小企業においては社員教育の重要性を認識しつつも、その投資額の大きさと
費用対効果に自信が持てず先送りしてしまうという企業はすくなくありません。
弊社においてもしかりで、メーカー主催の研修を除いては、
決して十分な教育をしているとは言えません。
ところが最近、これぞ「中小企業向きの研修」、費用対効果の極めて高い
「今まで探していた研修屋の研修」に巡り合いました。

大企業では、例えば私が40年余りの長きにわたりお世話になった
株式会社リコーでは、社是である「三愛精神」の人を愛し、国を愛し、
勤めを愛するにあるように、人を大事にするという精神が
今も脈々と流れています。
とりわけ、当時、販売のリコーを標榜していただけに、
営業部隊には様々な人材育成のための研修プログラムが用意され、
自らも自発的に自己啓発に挑戦できる仕掛け、
仕組みがしっかりとできておりました。

既報でも、何度か触れております通り、最も向いてはいないし、
やりたくもないと思っていた営業マンの辞令を受けて以来、
取り残されまいと、あてがわれた研修には真摯に臨んだのは
言うまでもありませんが、それだけではまだまだ不安は収まらず、
選択に迷うほどの通信教育の中からチョイスし、
毎年のようにチャレンジしていました。

短いものは4ヶ月、長いものは2年にも及びます。
自分の自由意志でのチャレンジは20回を超えます。
加えて会社からの業務命令での集合研修、通信教育も含めますと
間違いなく30回以上になります。

通信教育、中でも自ら選んだ自己啓発においては、
やりきった感は自分しか味わえない貴重なものです。
誰も見ていないだけに、ごまかしが利かないのです。
ごまかすことは自分を欺く事になるからです。

人にうそをついてはいけませんが、自分にうそをついたら
自分ではなくなります。

だから自己啓発は辛いです。
でも毎月、課題を提出した瞬間には、ちょっとした喜びを感じます。
最終課題をまとめ、ポストに入れる瞬間に開放感を覚え、
何ヶ月か後に修了証書が届きますと、やった感が溢れ、
それだけなのに凄く前進したような気分になれるのです。

今回、弊社の本部長が、その6ヵ月間の「管理者能力養成研修」に
意欲的に参加します。
この研修会社のH専務からの説明を弊社社長と共に受けましたが、
その際、受講者の実際の課題に対する講師(H専務)の
添削指導の状況を示され、思わず呟いた「講師が熱いですね」に対し
「受講者以上に熱くならなければ付いて来てはくれません」でした。
この言葉で十分!即決でした。

毎月発行されている同社の直近月刊誌の「毎度エッセイ276回」のテーマは
“知のトライアスロン”ですがその一部を抜粋します。

「知力の向上は多大な成果を生む。
管理者は6ヵ月間、知のトライアスロンを乗り越えなければならない。
逃げる者もいる。挫折もある。やりきれば、不滅の栄光に輝く」です。
きっと何とも表現しづらいやった感を味わうことでしょう。

この“知のトライアスロン”への弊社役員自らの挑戦と共に、
新たにスタートさせる部門を越えた人創りプログラムの継続実践の
相乗効果によって、新社屋に相応しい人財が育ち、やっと
「これからもお客様に選ばれ続ける会社」の実現が可能になると思うのです。

第45回・セミナーの裏話

2014-09-10
昨年の弊社70周年のフエア&セミナー
(ロアジールホテル、11月13日、14日)のセミナーでは
“これからのビジネスマン人生をどう生きるか”サブタイトルとして
?楽しくなければ仕事じゃないVS憂鬱でなければ仕事じゃない?と題し
講演させて頂きました。
弊社、トップから70周年の基調講演と位置付けられたので、
万が一にもご来場者に、たとえお一人であってもご不満を残しては一大事と、
自分の持てる能力以上は無理ですから、能力いっぱいのところまで
準備をしようと決め、四か月くらい前から取り組みました。

ビジネスコラムを毎月一回発信しておりますことは皆様ご承知の通りですが、
このビジネスコラムと、めったにやらないけれども、もし引き受けた場合の
セミナーのスタイルを自分なりに決めております。たぶんお気づきの方も
多いと思います。
二千人近くご愛読いただき、今回も二日間にわたり六つの
セミナーがあるにも関わらず、ご案内後の二週間ほどで満員御礼となったのも、
自ら必ず見聞きし、体験したことをベースとしてまとめるというスタイルを
貫いて来たからだと勝手に解釈しています。

毎回、開催の趣旨に相応しいタイトルを先に決めてしまいます。
昨年のセミナーにご参加の皆様は老若男女でありますから、どなたに
聴いて頂いても通用するものでなければなりません。

四年前までは、あるIT企業(一部上場)と契約していましたから、
ソフトウェアの販売促進につながるセミナ?内容であることが条件でした。
参加される方が企業の経営革新、営業改革を求める人に限定されますから、
むしろ楽と言ったら叱られますが、自身が実践して来た、
あるいは実践中のお話をすれば良いので、回数が増えても、
その都度何十時間も要することは少なかったです。
因みに昨年のセミナーでは少なめに見積もっても準備に
50時間以上はかけました。ご記憶の方もいらっしゃるかと思いますが、
そのセミナーの中で三人の著名な生き方を引き合いに出しました。
その一人が、サブタイトルである「憂鬱でなければ仕事じゃない」という
書籍の著者の一人、幻冬舎の見城徹社長で、彼が起業し、
いきなり大手出版社に殴り込みをかけるには、どうしても、業界の大物、
石原慎太郎氏と面談したい、そのために氏の芥川受賞作「太陽の季節」と
「処刑の部屋」を丸暗記して、氏の前で朗々とそれを披露し、
とうとう「分かった、分かった、お前と仕事するよ」を
言わしめたとありました。
であるのならば、少なくともその二冊の内容は当然のこと、
どれくらいの長さであるのかを体験しなければ自分のスタイルには
沿わないのです。

また、別の登場人物である、カレーの壱番屋の創業者、宗次徳二氏の
セミナーをその数か月前に拝聴し感動しました。
どう生きるかの話の中に、ワークライフバランスがキーワードになっている昨今、
一年365日休みなし、起床は4時、5時過ぎには会社に向かい、会社の周りの掃除、
メールのチェックを欠かさないというその真逆を感じさせる生き方です。

ところが早々と52歳という若さで創業者が役員としても残らず退任され、
趣味のクラシックに私財を投じて名古屋市は栄にクラシック専門の
コンサートホールを作られたのです。
予めコンサートのプログラムを調べ、私が中、高と吹奏楽でやっていた
トランペットのランチタイムコンサートがあり、早速行って懐かしいひと時を
楽しんで来ました。
終わってから幸いにも宗次氏とお話も出来るというおまけも付きました。
コラムにしてもセミナーにしても、自ら必ず見聞きし、
体験したスタイルには今後も拘り続けて行きたいと思っています。

40年を遥かに超えるビジネスマン人生での様々なシーンを振り返るとき、
当時は気が付かなかった、けれどもその後の更なる年輪を重ねた今、
あらためてその時のその事象、現象の真因に気づくことが少なくないのです。

第44回・私の目からはもう鱗が落ちることはない

2014-08-06
40年以上の長きにわたるビジネスマン人生において、人生の先輩から、
上司から、また同僚、仲間から、そして優れた先人、偉人たちの著書などを通じ、
目から鱗が落ちる瞬間を何度も経験して来ました。

よくそんなに鱗があるものだと馬鹿なことを思ったりもしましたが、
この一か月間、ある本の虜になり(本の題名、著者名は9月18日開催の
新社屋オープニングセミナーまで伏せさせてください)、
約500ページを熟読する過程で何度も目から鱗が落ちました。
更に、繰り返し読み直すことをほとんどしない私が、本当に
著者の真意を読み取り理解するためにはと、読み終えると同時に
二回目を読み始めているという異常なまでの入れ込みようです。

予定していたセミナーの内容は大きく変わりそうです。従いましてセミナーの
テーマも当初の「金の卵を産むガチョウ物語」から、今回のメルマガの
タイトルそのままの「私の目からはもう鱗が落ちることはない」に
変更しようとも思っています。
あまりの短期間に鱗が落ちすぎてもう私の目には鱗が残っていないのではないかと
錯覚するほどの衝撃をどうしても、今度のセミナーでお伝えしたいのです。

今回のメルマガを通じてセミナーの予告をする予定が、テーマと内容の変更を
伝えする事になりますこと、ご容赦頂きたいと存じます。

予定しているテーマの内容の一部分を以下に記します。

初めて営業責任者を任されたとき、五つも年長の部下から
「弱者の論理が分かってない」と指摘された真意は?

前任地での営業改革が評価され、鳴物入りで関西地区での営業部長として
異動するも、ごく一部の年長の部下に煽動され、最初の挫折感に
打ちひしがれたその原因は?そしてそれをクリアできた訳は?

いきなり債務超過会社の社長を命じられたとき、何故社員が本気になって
助けてくれたのか?一気に脱することができたのか?

積極的傾聴の重要性については前回のメルマガで発信しましたが、
それに加えての自叙伝的説得を繰り返した過ちを悔いる

仕事に限らず生活して行く上でも通用する時間軸で四つに分類する
行動の考え方?

70分間の中でどれだけお伝えできるかはこれからの準備と
読者の皆様の先行予約にかかっています。
場所は新社屋セミナー会場のため定員は30名です。
若干のオーバーには対応できますがお早目のお申し込みをお願い致します。

第43回・「今更」から「今だからこそ」へ

2014-07-09
前週の4日(金)5日(土)の二日間、弊社の社長以下全社員参加による
「基本行動研修?good companyをめざして?」と題し、
参画型の研修を実施しました。
そもそもこの研修開催のきっかけはと申しますと、弊社本社の移転並びに
新社屋竣工を来月末に控え、器に負けない中身を創って行こうとの
弊社トップの強い想いによるものです。

この?good companyをめざして?は遡ること3年、中期経営計画策定のため、
十数名を選抜し、県民の森で泊まり込み合宿をして以来、
次の3年に向けての新たな経営スローガンにしたものです。
基本行動というタイトルの通り、社会人、ビジネスマンとしての
基本的なマナーと行動、正しい電話応対など、さまざまなビジネスシーンでの
「基本行動」を理解し、行動のやり方を身につけるに止まらず、
その奥にある背景、どういうお客様にどういう想いで接して行けばいいのかを
理解し、また基本行動の一つ一つにどういう意味があるのかをも
学ぼうというものであります。

おかげさまで弊社は昨年、創業70周年を迎えさせて頂きました。
かつての“企業30年説”をはるかに超える70年もの長い間支持されて
来たということだけでも、大変有難いこととただただ感謝致しております。
ありがとうございます。

でありますが、これからも選ばれ続けるという保証はどこにもありません。
いくつかの名門企業でさえ、一社員のちょっとした気のゆるみからの軽率な行動、
不祥事が瞬時に全世界に広まり存続すら危うくするという時代です。
OAのど真ん中、ITの一角に位置し、当然のことながら個人情報、
企業情報を扱う弊社です。一人ひとりが常に緊張感を持ちながらそれぞれの
業務に携わって行く必要があります。
「基本行動」の本質を理解し、正しい行動を実践することで、これからも
選ばれ続けることができると思うのです。
この二日間の研修を終えての感想は、会社にとって、社員にとって、
そして私自身にとっても本当に意義深いものであったと確信できることです。
会社にとっては、スローガンの?good company?に 向けて、第一歩が
踏み出せたと思いますし、社員一人ひとりにとっては「基本行動」の意味、
やり方を理解し、行動できるようになったと思います。

40年以上にわたる経験を持つ私自身ですが、お恥ずかしいことに
当然知っていなければならない筈の「基本行動」の意味に
今頃気づくというシーンを思い出しました。
現役時代、副社長から5回くらい同じ言葉をかけられたことがあります。
「大下君は本当に明るいね」です。
流石に5回目には「嬉しいですけど、もうちょっと違った褒め方は
ないんでしょうか?」と返しました。この言葉、実は最高の賛辞だったことが
何年も経って今やっと分かったのです。
「基本行動」の一番目「表情」について学んだ要旨を以下に記します。
「心(情)」を「表す」ものが“表情”、良い表情が周囲を変えます。
またにこやかな人はいい人に見られます。
しかめっ面は嫌な人に見られます。
前田利家の言葉も紹介されました。
心をよくすれば表情がよくなる
表情がよくなれば、わしを見る民の表情がよくなる
民の表情がよくなれば、この国がよくなる

今回の研修の副次的な効果として、同志が、仲間が同じ方向を向いて
予めランダムに編成してあった6名ごとのチームの中での
ディスカスを通じ、新たな仲間意識が芽生えたということも
非常に大きな効果だと思っております。

問題は、本日以降の一人ひとりの意識、行動の変化です。
トップ、役員が変わり、役職者の意識、行動がまず変わって行くことで
社員全員の「基本行動」の実践が始まり、「基本行動」が
習慣になって行きます。

その過程が弊社に対するお客様の信頼につながり、それが横に広がり、縦に
積み上がって着実にgood company近づいて行くと思うと嬉しくなって来るのです。

第42回・積極的傾聴

2014-06-11
4年ほど前、ふるさと大使を務める出身地若狭町の職員を対象に
セミナーをしたことがあります。
テーマは「住民に期待される行政マン人生をめざして」というような
内容だったと記憶しております。
その時のつかみの一端をご披露します。
「子供の頃、死んだ親父からよう叱られたもんです。
“いらんこと言うな!”“屁理屈言うな!”ですが、今も懲りずに
いらんこと言って屁理屈をこねております?
どうも親の言うことをろくろく聞かず、すぐ屁理屈を
並べ立てる可愛くない少年だったようです」

若い時(33歳)から営業責任者などの重責を任され、リコーの
販社といえども150人、その社長を任されたのが45歳で、当然のことながら、
いつも部下には年上、先輩が数多くおられて、果たしてその期待に
応えることができるのかと心配したものです。
同時に経験豊富な先輩たちの協力なくしては、組織としての
力を最大化することはありえないとも思いました。

リーダーに必要な資質としてはいくつかありますけれども、
その中で最も大切なことは「メンバーの意見をよく聴くこと」最初に
これを絶対外してはならないと肝に銘じたのは「傾聴」です。
ただの傾聴ではダメ、これに「積極的」を加え「積極的傾聴」を
組織運営における自身の行動指針としたのです。
そもそも親も太鼓判を押すほどの屁理屈少年でありますから、
よほど自制しないとリーダーとしての機能を発揮することは
おぼつかないと思ったのです。

性格上、言うは易し行うはとても難しで、内心ムッとしたことも度々ですが、
自分が決めたことと気を取り直しているうちに「ありがとうございます。
よく直言してくれました」と心底言えるようになりました。
実力以上の役割を任され、任せた方も大丈夫かなあ?と
心配した方も、実際おられたと後に聞いたこともありますが、
普通以上にやって来れたのは、この「積極的傾聴」のお蔭だと思っています。

最近、同志であり友人でもあるA氏がよく本を紹介してくれます。
「大下さん、これ、絶対気に入りますよ」と紹介してくれた書が
帝王学(山本七平著)です。
その通りメチャメチャ気に入りました。
もっと早く知っていたらもっと良いリーダーになっていたとも思いました。

内容の骨子は、「草創(操業)」と「守文」(守成=維持)と
いずれが難きやから始まり、唐の皇帝の二代目太宗、姓は
李世民といいますが、彼を補佐した重臣たちの問答を通して、貞観の治を
現出させた彼らの苦心経営ぶりがさまざまな角度から解き明かされている
「貞観政要」を読者の一人として「帝王学」に著しているものです。

隋の末期を反面教師とし、唐の皇帝、太宗が重臣に積極的に「諫言」を
求め、長く続いた唐の礎を築いたのです。
そういえば前述のA氏の上司でもあるT社長の「大下さん、親父が
死んで誰も意見してくれなくなりました。もっとも意見してくれても
聞かないでしょうけどね。大下さんの言われることなら
聞けますので是非ウチへ来てくれませんか?」
そんな感動的な言葉がリコーグループを離れるきっかけになったのです。

今、思えばT社長、既にこの「帝王学」もしくは「貞観政要」に
学んでおられたのではないかと思うのです。
何故ならそのお言葉通り、時にはかなり辛辣な「諫言」をも
受け入れて下さっているのです。

第41回・昇級、昇格試験の持つ意味

2014-05-14
大企業においては、初級管理者とか中級、上級管理者と云った節目に、
昇級、昇格者を決める審査が人事制度の仕組みの一部にもなっています。
現役時、私が経営を任された二社目では既にその制度が整っておりました。
社員680名ですから当然と言えば当然です。
受験者の立場としては、株式会社リコーで、課長代理、課長、
次長登用のための受験を経験しました。

私が関わるIT系企業(社員90名)では、5級職(係長、リーダークラス)と
7級職(課長、マネージャークラス)への登用を目的に3年前より実施しております。
正直、始めた時は大企業じゃあるまいしとこぼす社員の愚痴に、
さもありなんという気持ちも少なからずありました。

一社目で150人の会社を任されていた時は、独自の教育体系を創って
職種毎のスキルを高めるために、勉強させて試験を行い、
1級、2級、3級とランク付けして各級毎に職能級手当てを支給しておりました。
昇級、昇格に関しては、社員とのコミュニケーションを思い付きではなく
仕組みにも工夫を凝らし十分過ぎるほどとっていたので、客観的且つ
公平な評価は出来ていたと思っております。

前述の試験制度3年目を迎える企業において、これに深く関わることも
ミッションの一つになりますと、これまでとは考え方がまったく
変わって来たことに気づきます。
もともとの狙いは、全社員を対象に機会均等、公平な評価を主な目的として
スタートしましたが、これとは別に大きな意義があることに気づいたのです。
昇級、昇格の決定にとどまらず、“気づきの場”として
大いに意義があったのです。

  ・受験者自身の気づき、に加えて
  ・上長、経営幹部の気づきです。

その一例をあげれば
    「そうか、俺の足らない部分はここなのか?」
    「○○君は意外によく勉強しているんだなあ」
     あるいは
    「活字に触れていない社員が多いなあ」といったところです。

昇級、昇格試験は終わった。昇級、昇格者が決定した。
これで終わりにしたら、この制度の意義は半減です。
大切なのはここからです。
個人ごとに、TOP方針の理解度、問題解決力、専門知識力、プレゼン力など
カテゴリー別に気づきを整理して、本人と上長が課題と
NEXT ACTION計画を共有して共に前進しなければならないのです。

持論の一つに
人が最も成長するときは自らが成長したいと思ったとき、
更には
人は教えることで最もよく学ぶです。これらは当コラムでも既報の通りです。
上長が部下の成長目標に対してどう絡んで行くかが課題です。

前週の土曜日、この会社の方針発表会で今回のコラムのテーマそのままで
話しましたがおしまいはこの言葉で締めました。

「合格した人は、次のステージをめざし頑張って下さい」

「惜しくも合格がかなわなかった人は、以下の二者択一で選択してください」
? あきらめる
? 次回必ず合格するように努力をする

以下が終身雇用制度などの日本的経営の良さを認めるゴールドラットの著書
「ザ、チョイス」からの引用の一部です。
人生には選択の機会が何度もあります。
「有意義で充実した人生を選ぶか?」
「楽ができる人生を選ぶか?」
大半の人は有意義で充実した人生を選ぶでしょう。
ですが問題はそのために努力を惜しまずに頑張るという強い自らの意思での
選択、つまりチョイスをする人は少ない。
一方、充実した人生を望むけれども努力はしたくはないという
単なる選択、セレクトをする人が意外に多いと言うのです。
何をチョイスするか、どういう人生をめざすかは本人の意思次第ということなのです。
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