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大下智のビジネスコラム

弊社常務・大下智・略歴

(株)リコーの国内マーケティング部門において40年以上のキャリアを持つ。
マネージャー
としては、福井リコー敦賀営業所所長を皮切りに、以後
同社営業部長、兵庫リコー営業本部長、岐阜リコー社長、愛知リコー社長、
リコー販売事業本部副本部長、リコー中部社長などを歴任。そのいずれもを
リコーグループのトップ会社へと牽引し、2004年にはダイヤモンド誌の
「日本の営業40人」に選出される。
また、現在、出身地・福井県若狭町のふるさと大使としても活躍中。
                 著書に自身の体験を綴った『リーダーの覚悟』が本年3月26日発売。

大下智のビジネスコラム【――素描――】 バックナンバー

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第62回・二兎を追うものは二兎を得る

2016-02-10
 
真綿色したシクラメンほどすがしいものはない~
ご存じ布施明が唄って大ヒットした「シクラメンのかほり」は
自身も唄う小椋桂の作詞作曲です。
 
日本経済新聞の「私の履歴書」から、彼の生き方などに関し、
以下想うところを記します。
彼は東大法学部を卒業後、日本勧業銀行(現在のみずほ銀行)に入行し、
海外勤務を経たあと浜松支店長、本社財務サービス部長などの
要職に就き目覚しい働きをしています。
同時にソングライターとしての活躍は、冒頭の布施明、中村雅俊(俺たちの旅)
梅沢富美男(夢芝居)堀内孝雄(愛しき日々)美空ひばり(愛燦燦)等、
一流、超一流のアーティストに提供していることでも広く知られています。
回を追うごとに、仕事とソングライターとしての活躍に、こんなに凄い人が
世の中にいるのかと感嘆させられるシーンが度々でした。2-
「天才が努力すると、とてつもないことをやってのけられるのだ」が、
最終回を読み終わった今(1月31日早朝)の偽らざる感想です。
 
彼は昨年、一周忌コンサートをやり、その前年には
生前葬コンサートをやっています。
自身が葬式と称する生前葬コンサートは四日間ぶっ通しで12000人を
魅了と云いますからそのタフさとプロ根性には脱帽です。
 
私の持論の一つに「趣味をとことんまで追及する人間は
仕事(ビジネスマン、リーダー、経営者など)では一流にはなれない」が
ありますが、その持論は彼によって見事なまでに打ち砕かれました。
よくよく考えてみますと、もう一つの仕事(音楽)を一方の
本業(銀行マンとしての仕事)に見事に生かしているということではないかと
思うのです。
実際、支店長時代、年間50回を数える講演を引き受けています。
顧客の立場では小椋佳の話を聞いてみたいと思うのは当然だと思いますし、
支店長、小椋佳の立場ではお客様に喜んでもらえるなら、喜んで
それに応えるのは当たり前のことです。
つまり、顧客のWIN、支店長としてのWINの構図がどんどん
膨らんで行くのですから、間接的に仕事につながって行くのも頷けます。
あのお堅い銀行の幹部がよく副業を許したとも感心しますが、
直属の上司が許し、あるいは黙認し、最終的にはメディアに出ないことを
条件に認めました。
 
あの顔が世の中に知れ渡るようになったのはNHKからのオファーで、
「かたくなに顔を見せようとしない小椋佳は不遜だ」との声が大きくなり、
やっと銀行幹部も認めざるを得ない状態になった経緯があります。
二兎を追う人生に拍車がかかったのは云うまでもありません。
更に本来の仕事、銀行マンとしての仕事に磨きがかかり、当然のことながら
地位も確立されて行きました。
 
二年前から、これぞ経営者研修の最高峰と惚れ込む
「十八か月間経営者養成研修」のカリキュラムには読書はもとより、
音楽、美術鑑賞、囲碁、詩吟、般若心経と様々な分野までもが
盛り込まれています。
仕事とはまるで無関係に思える分野からも経営者としての
素養に磨きがかかるというのです。
 
そう云えば、フィギュアスケートの世界歴代最高得点記録保持者で
世界ランキング一位の羽生結弦選手が狂言師野村萬斎から
表現の極意を教わっています。
二兎を追うものは一兎も得ずではなく、二兎を得るためには
二兎を追わねばなりませんが、秀でた才能があって、双方に活かす
才覚、執念、人並み外れた努力を積み重ねる覚悟なくしては
二兎を追ってはならないのです。
 

第61回・叱れない上司は部下を不幸にする

2016-01-13
 
「叱る」より「褒めよ」という時代の流れの一つなのか、
部下を叱らない、叱れない上司が増えているように思います。
ここは部下のためにも明らかに叱るべき、叱らなければならない場面と
思える時でさえ、部下に遠慮するのか、嫌われたくないのか
注意すらしない上司を見かけます。
 
云うまでもなく上司の重要な役割の一つに部下を成長させる責任があります。
称賛に値する努力、行動、結果などに対して、褒めることはもちろん
志気を高め、更に成長へとつながる行動に駆り立てます。
一方、見逃すことができない失敗に対しては、同じ過ちを
二度と繰り返さないよう、時間を置かず注意し、その程度によっては
厳しく叱るべきです。

叱られることで、チームだったり、部門、会社、あるいはお客様にどのような
影響を与えたのかといった、事の重大性に気づくことだってあるのです。
失敗という事実を認識させると同時に、それがどういう過程で
生じたのかなどを検証し、同じ失敗を繰り返させない絶好の
ケーススタデイを活かすチャンスなのです。
どんな勉強会、研修会をも、はるかに凌ぐ成長を促す場面でもあります。
 
私が親しくさせて頂いている「成功するまでやり続ける」の著者高井法博氏の
事務所には上司への戒めが張り出されており、その一つとして
「口うるさい上司になれ!」があります。
また「鬼とならねば部下は動かず」や、著者曰く、何と私自身も登場している
ページがある最新作「ザ、鬼上司」の著者染谷和巳氏は約10冊の
「鬼シリーズ」のベストセラー作家でもありますが、お二人の共通の主張は、
部下のために厳しく接することができる上司になりなさいです。
 
因みに、長年にわたるビジネスマン人生、その中でもマネージャー、
リーダーを務める30年余りの期間、私をうるさい上司、鬼のような
上司と評する人達は少ないと思います。
どちらかと「言えば気軽に話ができる優しい上司」という評価をしてくれる
部下が多かったと勝手に思っていますが、「非常に厳しい上司」と
感じていた部下も少なくないです。
「非常に厳しい上司」の一面を持つという評価は、まさに我が意を得たりで
大納得で嬉しい限りです。
ずるい部下の言動に対しては非常に厳しいです。
そのことに気づき、二度と同じことを繰り返さないとの反省が見えるまで
諦めません。
ですが、部下の失敗に対しては、その瞬間は一喝することはあっても
失敗そのものの責任を厳しく追及することはありません。
その失敗の大きさ、周りに与える影響の大きさを考えさせます。
同時に失敗の原因は何なのか?その過程に問題はなかったのか?同じ失敗を
繰り返さないために今後どうしたら防ぐことが出来るのか?を
考えさせることに関しては極めてしつこく厳しいのです。
 
そして最後は「もう済んだことだ。もういいよ!」で終わります。
こうして確実に部下が成長して行くという手応えを得ます。
なのに、せっかくの失敗を、成功に活かす千載一遇のチャンスを逃してしまう上司、
部下を成長させようとの覚悟を持って接することをしない上司が
あまりにも多いのが大いに気がかりです。
結果、部下の成長を妨げることになり、部下を不幸にしてしまうのです。

第60回・高い志と本気度が人を動かす

2015-12-09
最近のテレビドラマで欠かさず観ているものと云えば、
朝の連続ドラマ「あさが来た」、直木賞受賞作「下町ロケット」それに
NHKの大河ドラマ「花燃ゆ」です。
それぞれに違った面白味があり、毎回楽しみにしています。

このメルマガも今回で60回、ちょうどまる5年になります。
月に1回とは云え、自分なりの拘り(自分自身が見聞きしたこと体験したことを
基にしての主義主張)を入れながらのビジネスコラムです。
おかげ様で日常の何気ない出来事とか、人との出会い、世の中の変化、読書、
旅行、仕事など、何からでも題材のきっかけ、キーワード、ヒントを
探す習慣ができたようです。
これらのドラマに関しても、共通しているものがあることに気づきます。

「あさが来た」では主人公のあさが、嫁ぎ先を守るという大義のために本気で
体当たりし、荒くれ炭鉱夫もその情熱と行動によって見事に動かされます。
「下町ロケット」では中小企業の社長の高い志と不退転の決意に幹部が次々と
賛同し、不満を持っていた幹部、社員をも文字通り同志となって、
金融機関、大企業の信頼を勝ち取って行きます。
「花燃ゆ」では吉田松陰の志を受け継いだ門下生達が、本気になって新しい
日本を創って行く様を描いています。
このように志を実現するため、本気で行動して行く姿は人の心を揺さぶり、
人を動かします。

5年に亘る今回のコラムでは、私の人生そのものに最も影響を受けた
この「人を動かす」について触れない訳には行きません。
意に反しての辞令(営業職)を拝命した時、自分には向いていないし、
その能力もない、ついて行けないのではないかとの不安に苛まれていた頃、
タイミングよく日刊紙の広告「営業のすべて、全五巻、毎月配本」が
目にとまり躊躇することなく即申し込みました。

営業活動をして行くうちに「営業とは人の心を動かすこと」に気づき、
早速書店で「人を動かす(カーネギー)」を見つけ熟読、様々なシーンで
学んだことを実践した結果、ついて行けないのでは?が見事に外れました。

マネージャー、営業責任者、社長という立場になっても「人を動かす」が
最も重要なキーワードです。

初めて「人を動かす」に出会って以来、実に40年も経過しますが、あらためて
この本の凄さに驚き、この本が与えてくれた影響がとてつもなく
大きなものだったことに気づきます。
私の場合は、「営業のすべて」で営業とは何かを理解し、それを実践して行く
過程で発生する様々な事象に対する最良の取り組み方を学ばせてくれたのが
「人を動かす」です。

本書は「人を動かす三原則」「人に好かれる六原則」「人を説得する十二原則」
「人を変える九原則」で構成されています。
ハウツウ書であり、経年劣化しない極めて稀な実用書ですが、「本書の原則は
言動が心の底から出る場合に限って効果を上げる。
小手先の社交術を説いているのではない」と著者も強調している
ところが大いに納得です。
つまりテクニックでは決して人は動かないと云っているのです。
今回のテーマ「高い志と本気度が人を動かす」とは如何にも情緒的ですが、
この本では心理学的にも解明されており、非常に論理的な解説が展開されています。
世界的なベストセラー「七つの習慣」とこの超ロングセラー「人を動かす」は、
間違いなく私の長いビジネス人生のバイブルになっているのです。

追記
早いもので、このビジネスコラムも60回を迎えました。
5年は続けたいとの思いでのスタートでしたが皆様に支えられました。
ありがとうございます。
一区切りを機にあらためて「ご感想」「ご意見」等を頂ければ幸いです。
出来得る限りお一人毎に返信させて頂きます。

第59回・組織文化を変える

2015-11-11
横浜市のマンション傾斜に端を発した旭化成建材の杭打ちデータ改ざん問題は、
その後、東京都、北海道庁、釧路市、愛知県など広範囲に、
またマンションに止まらず学校はじめ公共の施設にも広がる一方です。

事件の発端となったマンションに関して云えば、個人にとっての
住まいは一生の間で最も大きな買い物であり、家族が幸せ感一杯に
浸るときでもあります。
それが一企業の不正の発覚によって一瞬にして「お先真っ暗」の状態に
陥れてしまうのですからこの罪は極めて重いです。

事件発覚後、素早く「全棟建て替えます」との社長の記者会見に対し、
流石大手一流企業と受け止めた視聴者も多いと思いますが、
そんな簡単な問題ではありません。
それで解決するためには、マンション住民の5分4の同意が必要だそうで、
また同意したとしても入居までには3年を要すると云います。
第一に、様々な都合を抱える入居者が納得する解決策をまとめるのに
相当な時間を要しますから早くても5,6年はかかるようです。

今回の場合、親会社は旭化成であり、販売元は三井不動産レジデンシャル、
建設は三井住友建設という日本を代表する一流企業ですから、
何の疑いもなく購入に踏み切った入居者の腹立ちは想像もつきません。

最新のニュースではデータ改ざんに10人以上が関わっているとのことですが、
それは直接にという意味であって間接的にはその何倍もいるし、
知っていて知らぬ顔は更にその何倍も存在していると考えるのが妥当でしょう。
約十年にもわたる物件3000件の調査で既に300件にデータの改ざんが
あったとのことですから、10人以上が関わっていたという
報道には疑問符が付くだけです。

長年にわたり数社の経営に携わって来た経験から云わせてもらいます。
そもそも会社というのは経営のリーダーシップのもと経営戦略が練られ、
いくつかの重要課題を浮き彫りにして、それら優先順位の
高い課題から対応して行きます。
重要度の高い仕事、緊急度の高い仕事ほど技術力、対応能力が要求されますし、
スピードもしかりです。そのための人材教育はしっかりやっています。
(あえてそのためのとしたのは「倫理観を植え付ける教育」高い志を
持たせる教育」など利益に直結しない教育が欠落している企業が少なくない)

請け負った建設会社とその下請け会社では、でき得る限りの
コストダウンを図ろうとする意識も働きます。利益に固執するあまり
手抜きに手を染めてしまったと推測するのに無理はないようです。
「そういうことをする環境にあった」これは、このコラムを推敲している最中
(11月3日の朝)に、テレビでの国交省の立ち入り報道で流れた言葉ですから
「組織ぐるみ」を裏付ける十分な状況証拠になりそうです。

前々月発信のコラム「東芝に学ぶ」にも共通しますが、経営層以下の
「倫理観の欠落」、「高い志のなさ」が長年にわたって
組織文化に影響を与えたと思わざるを得ません。
今回の件も、発覚する前から、社員の何十人、何百人が知っていたのでは
ないかと疑ってしまいます。知っていても知らない顔、そういう組織文化です。
大問題になって、あわてて外部から取締役を招聘する。
外部監査を受けるなどで対応しますが、まったく泥縄もいいところです。

経営改革で最も粘り強く、根気よく取り組んで行かねばならないことこそ、
この「組織文化を変える」ことであり、時間を要し、地味な仕事で、
且つ骨が折れる割には「変わった様を示し難いテーマ」なのです。

第58回・便利なものは不便なもの〜マイナンバー〜

2015-10-07
「科学の進歩は素晴らしく、とても考えつかない、
あるいは夢のようなもの(こと)が現実となる。
いずれも非常に便利なものばかりではあるが、同時にこれらはみな、
誠に不便なもの、また危険なものであることに気づく。
具体的なものとして、携帯電話(便利だが拘束され、自由を束縛される)
乗り物(バイクは渋滞の中でもスイスイだが事故の被害は?)
車(必需品だが人を殺す凶器にも?)
飛行機(全世界を狭くするも落ちれば大惨事)
極めつけは原子力(発電能力は、他の非ではないが万一の事故が大惨事)
というふうに、それぞれの利便性と共に、不便さ、危険性を記しています。
不幸なことに原子力の万一が現実となってしまったのは
記憶に新しいところです。」
実は上記の文章、地方紙に掲載された(17年前)コラムの一部です。

ビジネスにとどまらず、国をあげて制度化しようとしている
マイナンバー制度は誠に便利な制度です。
弊社のセミナールームにて、30人前後を定員として様々なセミナーを
開催しておりますが、中でもテーマが「マイナンバー」絡みになりますと、
すぐに満員になってしまいます。

私自身も、社内向けセミナーを受講し、弊社社長の來本も只今受講真最中です。
全社員に受講義務を課しているのです。
「マイナンバーの理解」に加え、情報漏洩や個人情報の紛失、
不正使用など情報に関する不祥事などなくて当たり前をゴールとする
「情報セキュリティ」の構築、運用の進め方といった内容です。
何事もなく運用して行くことが、実に大変なこと(不便)であるかを
再認識させられます。

この10月には、国民一人ひとりにマイナンバーが通知され、翌年1月には
いよいよマイナンバーカードが発行されますからまさに待ったなしです。
この制度のメリットは行政にとっても国民にとってもメリットがあります。
我々国民にとっては各種申請手続きの簡素化をはじめとしたメリットです。
一方行政側にとっての最大のメリットは、一言で表せば税収の増加です。
所得税の取りっぱぐれをなくする制度と云っても過言ではない気がします。
マイナンバーによって紐付けされ一元化できるからです。
ITの技術が紐付けを容易にしたのです。

逆に最大のデメリットと危惧されるのが、行政、国民双方に想定される
マイナンバーに関わる事件、事故です。
そもそも情報は存在した瞬間から、晒される危険性を孕んでいます。
どんなに精巧なコンピューターであっても必ず人が介在します。
人為的なミス、事故の防止が不可欠です。
マイナンバーに関しては「効率」よりも「安全」最優先です。
年金への活用を一年延期した理由は現段階では「安全」を担保できないからです。

ご承知の通り、弊社は一年前、この地に引っ越して来ました。
これを機にお客様と共に社会に拡がる「人」と「情報」の新たな
ネットワーク創りを進めております。
弊社にとっても「マイナンバーがターニングポイント」と受け止め、
お客様から信頼される情報発信、事例提供などのお役立ち活動を続けて参ります。
繰り返しになりますが情報に関わる事件、事故はなくて当たり前の会社を目指し、
「安全」を最優先する会社を創って行くことをお約束致します。

第57回・?「TOKYO2020」からの迷走? 李下に冠を正すな!

2015-09-09
ブエノスアイレスからの中継、「TOKYO2020」で2020年東京オリンピックが
決定した瞬間から早や2年が経ちます。
安倍総理、猪瀬都知事(当時)大田選手、滝川クリステルなどの
歓喜に満ちた顔が思い出されます。
日本の明るい未来を象徴するようにも感じました。

その準備が順調に進んでると思いきや、考えられない、
あり得ないようなことが起きています。
云うまでもなく新国立競技場建設に関わる問題とエンブレムの白紙撤回です。

新国立競技場の問題については「何をか言わんや」です。
「デザインはデザイン、建設は建設」などと考えられないような
言葉には驚きです。あり得ない問題、これ以上論評にも
値しないというのが正直な気持ちです。

一方の、エンブレムの問題に関してですが、私的には最初の報道については
必ずしも盗用、模倣とは思いませんでした。
東京オリンピックならTが使われるのは、ごく自然の成り行きですし、
限られたスペースでイメージするのだから、多少似通ったものを
思いついたとしても仕方ないのではないか、盗用と決め付けるのは可哀想、
むしろ決定する前に問題が起きる可能性があるかどうかを
調査すべきとも素人考えかもしれませんが思ったものです。

ところが、その後がいけません。同じ事務所のスタッフが作ったデザインが
他人のものを写したものだったり、空港内でのエンブレムの使い方の
模倣を認めたり、その他にも次々と盗用、模倣の疑いのデザインが
出て来るとなると、もはや弁明の余地なしです。
「李下に冠を正さず」という諺があります。
「盗用、模倣は断じてありません」と言い切っていますが、
それならば、事務所スタッフの軽率な行動(デザインの写し)や、
自らが認める空港でのエンブレムの使い方の模倣などあってはならないのです。

まったく次元の異なるエピソードです。
2004年に有名大学WのU教授が品川駅のエスカレーターで女子高生の
スカートの中を手鏡で覗き見しようとして現行犯逮捕されるという
事件が起きました。
本人は取り調べで罪を認めていますが、裁判では冤罪だと主張、
結局有罪が確定しましたが、万一冤罪だったらとんでもないことです。
世の中では稀に冤罪が証明されたこともありますから。
ですが、そのU教授、他にも泥酔して痴漢行為で取り押さえられ
「酒に酔っていたので覚えていない」と供述するなどがありますと、
手鏡事件の有罪の信憑性が一気に高まります。

実は手鏡事件の少し前から、私も鞄の中に手鏡を持っていました。
自宅から最寄りの駅まで歩く10分余り、風の強い日が多く髪を整える
必要があったからです。
U教授の事件が放映されている時「俺も手鏡持ってるよ」と話すと、
娘が即座に「ダメだよ。逮捕されるよ」です。
「どうしで俺が逮捕されなきゃならないんだ?」と返すと、なんと
「その顔が何よりの証拠だよ!」ですって!娘がですよ。
以後、手鏡は一切持たないことにしました。

今回、東京都をはじめスポンサー企業などに大変な損害を与えています。
金銭的な損害もさることながら「TOKYO2020」で「素晴らしい国日本」を
アピールできる絶好のチャンスが一転「恥さらし日本」という声さえ
聞こえて来るのが残念でなりません。

夢の祭典「TOKYO2020」まで、早や2年経ってしまいましたが、
まだ5年もあるとも言えます。挽回は十分可能だと信じています。
「やっぱり日本は素晴らしい!」という声がたくさん聞こえて来るようにと
願うばかりです。

第56回・東芝に学ぶ

2015-08-05
東芝といえば日本を代表する企業です。140年という歴史を持つ東芝が
こともあろうに、長年にわたって粉飾決算を行って来た疑いがあるとの
報道が連日にわたりマスコミを賑わせています。

企業は戦う集団でもありますから、ひょっとして今年の流行語にも
なりそうな「チャレンジ」に何ら違和感を覚えることはありません。
戦うからには勝利を目指すのは当然です。
ですが、スポーツにもルールがあるようにビジネスにもルールがあり、
ルール違反が及ぼす影響はスポーツとは違い実社会が対象となるだけに、
その影響は計り知れないほど大きなものとなる可能性があります。

三代の社長にわたって不適切会計が続いていたということは、三人の
社長それぞれがどれほどの経営手腕を発揮されたとは云っても、
今回の責任の重さははるかに大きく決して免れるものではありません。

今回の事件を解明しようなどと大それた思いはありませんが、
ビジネスコラムを綴って55回目の今回、改めて他山の石になるのでは?と
思えるコラムを抜粋してみました。

先ず第1回のテーマ“考え方こそが人生を変える”の中で京セラの
創業者でもあり、JALの救世主と言っても過言ではない稲盛和夫氏の
教えを紹介しています。
以下が氏の唱える「人生の方程式」です。
人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力
あるいは
成功=人格・理念×努力×能力
個人にあっては「人格」、法人においては「理念」と解釈し、
その「理念」を貫き通すのは経営トップの「人格」と考えると
分かりやすいのではないかと思います。

私自身が貫いて来た考え方の軸の一つに、「自分に嘘をつくな!」が
あります。自分にと敢えて付け加えるのは自分に嘘をついたら自分で
なくなるからです。
自分の真の基準は「それは正義か?」であり「大義があるか?」です。
結果、自分に不利益をもたらしたことは過去幾度もありますが、
そんなことは端から承知のうえでありまして、傍から見れば馬鹿だなあと
思われようと、これからもこれまで同様この考え方は貫いて行きます。

第7回のテーマ“電信柱が高いのも郵便ポストが赤いのもみんな社長の責任”では、
社長は「人」「モノ」「金」「情報」等々の経営資源全てを掌握し、
「人」を含む経営資源を自分に代わって駆使し最大化する経営幹部を
任命しますからその責任があると記しています。

第18回のテーマ“「殿ご乱心を!」で救われた裸の王様”では、
経営幹部の人選は非常に重要だが、ややもするとイエスマンばかりを
側近に据える可能性がある。冷静且つ客観的なモノの見方、考え方ができ、
経営トップに対しても、ここぞという時には諫言をも辞さない腹の
据わった側近が、結局はトップを守り、会社を守るきっかけを
作ってくれるとの体験を発信しました。

今回、社外取締役、監査役(監査法人)がその機能を果たさなかったと
いうことですが、会社側、経営側にも問題があったのではないかと思います。

コラムの最後に第29回“企業を成長させる「三現主義」と「スピード」を考える”
を記します。
社長はじめ経営幹部が「現場」「現物」「現実」を自ら把握していたら
180度違った判断になっていた筈です。
結果だけを机上論で追求すれば、簡単に机上で数字は創られます。
結果の良し悪しだけで、部下の能力を測るのなら、部下は面従腹背になります。

今回、コラムのテーマを“東芝に学ぶ”とすることに若干の躊躇がありましたが、
考え方の軸の代表ともいうべき私の座右の銘「我が行いにせずば甲斐なし」に
従い発信することにしました。

第55回・カマスの実験

2015-07-08
ご存知の方もいらっしゃると思います。表題の「カマスの実験」というのは、
ある心理学者の行った、魚のカマスを使っての実験です。
実験の手順は以下の通りです。

1.水槽の真ん中を透明なガラスで仕切る
2.片一方に空腹状態のカマスを数匹放つ
3.もう一方にカマスの餌になる小魚を放つ

と至ってシンプルなものですが、どういう現象が起きるのか?が
興味深いところです。
カマスは待ってましたとばかりに小魚めがけてまっしぐらですが、
当然ながら勢いよくガラス板にぶつかります。
次から次へとぶつかり、自らの体を傷つけ、やがてその痛さに懲りて
小魚を食べに行かなくなります。
続いての実験では、そのガラス板を外しても小魚を食べに行こうとせず、
放っておくと餓死するというのです。

これは40年以上も前、初めて営業所長という立場でのことで、
自分なりにマネジメントの勉強の過程でこれを知り、以来今日まで
何度か先入観を持ち固定観念を持つことが如何に危険なことかの
説明に引用して来ました。

この実験の最後では、何も知らない別のカマスを放ちます。
するとそのカマスは躊躇することなくなく小魚を食べに行きます。
この様子を目の当たりにして傷ついたカマスが次々と食べに行くというのです。
ビジネスの世界にもしばしば同様のことが見られます。
大企業では、金融機関の多くに見られるように2,3年という短期間での
異動には別の意味あいもありますが、多くの場合、組織の活性化を目的とした
人事異動はごく当たり前に行われています。
特に上級職、中級職を対象としての異動の最も大きな狙いは、
新しい任地での改革、改善です。まったく違った視点、角度からの
捉え方を活かしての変革が求められているのです。
出先がない、部署も少ない中小零細企業においては、何らかの手段を講じて
これに見合うことを意識し、改革、改善の工夫をする必要があります。

極端な比喩ですが、淀んだ水はやがて腐ります。
淀んだ組織を活性化させなければ勝ち続ける組織にはなり得ません。
そう云った状態を脱するには二つの方法があります。
一つは優秀で活きの良いまったく新しいカマス(人財)を入れることです。
二つめは自らが変化を求めるカマス(改革者)になるということですが
これがなかなか至難の業です。
何故なら環境の変化に気づかず変革の必要性すら感じてない場合が多いのです。

そもそも主題のカマスの実験を思い出すきっかけは、何気ない
お客様とのやりとりです。
このコラムを申し込んでくださる方が、申込書のメールアドレス欄に
スマホのアドレスを書かれたのを見て、「パソコンのメールアドレスでないと
駄目なのではないかなあ?」と言ったところ
「いや、大丈夫だと思いますよ!」と自信たっぷりの返答でした。
おっしゃる通り、帰社して直ちに事務局に事情を話しますと、
私のスマホを手に取るやいなや、何と5分も経たずに設定完了です。
足かけ5年経過のビジネスコラムですが、言うまでもなく毎回執筆し、
事務局に送信する立場にいる私、何の疑いもなく、送信先は
パソコンのメールアドレスと思い込んでいたのです。

思い込み激しい年老いたカマスが、当たり前のように使い込んでいる
若いカマスに出会い、40年前のカマスの実験を思い出したという
ビジネスコラム始まって以来の真に情けないお話ではありました。

第54回・次の課題は何か?それを克服するためのネクストアクションは?

2015-06-10
ちょうど一週間前になります。関与するIT系企業の営業会議に参加し、
発言した言葉の一部です。
(因みに参加メンバーは営業部門総勢45名のうち幹部8名に加えて社長と私)
「3.4年前のこの営業会議のビデオテープがあったらと思うととても残念です。
当時と比べると会議の内容に格段の進化が見られます」
途中、社長がにこやかに口を挟まれました。
「そうですね。私が一人怒りまくっていましたねえ」です。

短期間に相当数の人間がこれほどまでに変われるか?と
本当に驚きの一語に尽きます。
以下の表現はその席上では使いませんでしたが、この変わりようを説明するには、
昨年来、強い影響を受けた「七つの習慣(スティーブン・R・コヴィー著)」を
ツールとして用いるのが最適と考えました。
500頁に届こうかという大作をもう一回読み直し、その後、更に七つの習慣の
研修にオブザーバーとして参加するという熱の入れようは半端ではなく、
セミナー、社内研修などにも部分的に引用することがあります。

話を営業会議に戻します。
各部署共に第一の習慣の主体性が発揮できるようになり、第二の習慣の目的が
非常に明確になっています。
またそれを達成するために第三の習慣である優先事項、当社の場合、
KGIを達成すべく、部署、チーム、個人ごとにKPIに拘った営業活動が
愚直に実践されるようになって来ているのです。
「七つの習慣」ではこの第一から第三までを「依存」状態から「自立」へと
自分自身を改善へと導く「私的成功」と教えます。
七つの習慣の研修を共に受講した各部署の責任者
(支店長二人とマネージャー六人)一人ひとりに、七つの習慣で学んだことを
意識して実践しているのかどうかを改めて尋ねてみたいと思っています。
実は全員の発表、発言の中には一言も、その研修で学んだキーワードが
出て来てないのです。

「私的成功」の次は、「自立」から「相互依存」に向かう「公的成功」の
ための第四の習慣、WINWINを考え、第五の習慣、相手を理解し、理解される。
続いて第六の習慣である相乗効果を発揮する、というステップを
当社の営業に当てはめた時に、具体的な営業活動がどのようなものになるのかを
問うてみようとわくわくしているのです。

「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」とは、
名将野村元監督がよく口にされていましたが、うまくいった時にどうして
良い結果が出たのかが論理的に説明できないと勝ち続けることはできません。
また不振に陥ったときにもその原因がどこにあるのかが同様に説明できないと
不振から抜け出ることは難しいです。

プロセスのどの部分が良かったのか、あるいは何処が悪かったのかに
気づくことが次の行動に活かされます。
結果を生むであろうプロセスの仮説立案と実践、その後の検証、
この行動のPDCAに七つの習慣でいう「主体性を発揮する」から
「相乗効果を発揮する」といった行動規範を絡めて行くことが
連続的な成長を約束すると確信するのです。

「いくらやっても課題というのは尽きることはありません。
(次の課題は何か?)と(それを克服するためのネクストアクションは?)、
永続的に成長して行くにはこの二つのキーワードは外せないと思います」で
この営業会議を締めくくりました。

P.S
今回、このコラムでは「七つの習慣」を引用し、営業活動を効果的に進め、
良い結果を求めるにはどうしたら良いのかを記していますが、
実はこの「七つの習慣」はビジネスに止まらず、より良い人生を送るための
バイブルとしても大いに役立つものです。

第53回・100年企業を目指して

2015-05-13
一昨年、お蔭さまで弊社は創業70周年を迎え、昨年、手狭で且つ老朽化した
社屋を現在の地(二川)に、いつでもお客様に来て頂けるような
ライブオフィスとして構えました。
ご承知の通り、私共の仕事はOA、IT関連を中心とした
オフイス周りのハード、ソフト、メンテナンスでお役立ちをする仕事を
生業としております。

ビジネスのスタイルはと申しますと、少なくとも現在の
形態(事務機械の販売開始)になってからは訪問販売が主体で、
インターネットの普及により、必然的にWEBビジネスのウエイトが
高まって来ました。
同時にWEBと訪販を絡めたビジネスも意識的に高めて来ています。
これらはお客様のニーズの多様化にお応えするためです。
また、ライブオフィス活用の目玉として、関心が高くトレンドに沿った
セミナーなどを随時催し、ご来社頂けるよう工夫もしております。

さて、弊社では毎年四月の第二土曜日、全社総会と称し、
営業方針発表会を実施しておりますが、今回初めて「100年企業を目指す」と
公言しました。
幹部の一人から「100年企業」という言葉が出たのがきっかけです。
冒頭に申し上げた通り、一昨年に70周年ですから、「100周年」という
言葉に何ら違和感はない訳でありまして、むしろ「100年企業を目指そう!」
という機運を高めるのに絶好の好機と捉えたのです。

100周年を迎えるということは100年間お客様に選ばれ
続けなければ成し得ないことです。
100年という長い間には、当然のことながら人が代わって行きます。
因みに弊社の現代表は三代目です。
100周年を迎えるには四代目、あるいは五代目になって行きます。
言うまでもなく支える社員も同様に代わって行くのです。
企業30年説と言われて久しいですが、近年の企業を取り巻く環境の
変化は激しく凄まじいスピードです。
この変化に対応しながら、お客様に選ばれ続けねばならないのです。

既報でも記しましたが、私はリコーグループで販売会社2社と統括会社1社の
社長を計13年間任され、いずれの会社も好業績で推移し高い評価を
得たようですが、私的には悔いの残る手痛い失敗も経験しています。

それは社長を任された1社目、その前年は債務超過という状態だったのを
初年度で解消し黒字化、以後も毎年黒字で、高額所得法人にもという
業績だったのが、6年半後、次期社長にバトンタッチした翌年から
赤字に転落です。
2年くらいで社長が交代しても連続赤字、債務超過にまで陥り、
また社長交代、結局黒字になるまで6年かかったのです。

6年の間に何があったのか?どんな大きな変化があったのか?大きな変化と
して考えられることは、社長が交代したことくらいしかないのです。
言い換えれば、債務超過から黒字化、黒字体質化と進めるも、
それを維持する人の育成がまるでなってなかったということに
尽きるのではないかと思うのです。

このことが今も脳裏に焼きつき、弊社の最大の課題は人財教育であり、
諸般の事情を鑑みるとき、かなりのスピードを上げて取り組まねば
ならないとの不安がよぎるのです。
社員を木に、会社を森に例えるならば、根っこが深く広く張りつめ、
更に揺るぎない幹を持ち豊かな枝葉が茂っている樹木で覆われている
森を作って行く必要があるのです。

因みに100年企業は全国で大中小、零細含めて26000社
(2013.帝国データバンク調べ)存在します。
うち年商10億円以上となると約5000社に止まり、全体の僅か
19%という希少価値になるのです。
愛知県では1349社で同じ比率であれば256社という社数になります。

あと28年続けば「100年企業」の仲間入りとなり、その暁には当然
その絶対数は増えているとは思いますが、100年の重みは即ち信用の
積み重ねということに変わりはないですから、何としても最大の課題である
人財育成に取り組み「100周年」を迎えねばならないと思うのです。
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