ミカワリコピー販売株式会社
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大下智のビジネスコラム

 

ビジネスコラム【――素描――】 著者・大下智のご紹介

ビジネスコラム【――素描――】 著者・大下智のご紹介
 
弊社常務・大下智・略歴
(株)リコーの国内マーケティング部門において40年以上のキャリアを持つ。
マネージャーとしては、福井リコー株式会社敦賀営業所所長を皮切りに、以後同社営業部長、兵庫リコー営業本部長、岐阜リコー代表取締役社長、株式会社リコー販売事業本部副本部長、リコー中部株式会社代表取締役社長などを歴任し、そのいずれもをリコーグループ中のトップ会社へと牽引する。
2004年にはダイヤモンド誌の「日本の営業40人」に選出される。
また、現在、出身地・福井県若狭町のふるさと大使としても活躍中。
 

大下智のビジネスコラム【――素描――】 バックナンバー

大下智のビジネスコラム【――素描――】 バックナンバー
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第83回・経済合理性ばかりを追求していると会社は壊れる
2017-11-08
二年前の「ビジネスコラム」のタイトル、「東芝に学ぶ」で発信した
その骨子を次に記します。
東芝といえば日本を代表する企業であります。百四十年という
歴史を持つ名門企業がこともあろうに、長年にわたって粉飾決算を行って来た
疑いがあるとの報道が連日、マスコミを賑わせました。
企業は戦う集団でもあるので、戦うからには勝利を目指すのは当然であります。
ですが、スポーツにルールがあるように、ビジネスにもルールがあり、
ルール違反が及ぼす影響は、スポーツとは違い実社会が対象になるだけに、
その影響は計り知れないほど大きなものになることが多いのです。
三代の社長にわたって不適切会計が続いていたということは、
三人の社長それぞれがどれほどの経営手腕を発揮されたとしても、
その責任の重さは、はるかに大きく決して免れるものではありません。
その東芝の大半を稼ぐ主要事業である半導体部門を手放すことが、
株主総会で可決されたことは報道された通りであります。
また別のコラム「生き方」というタイトルで記述した、京セラの創業者でもあり、
JALの救世主と言っても過言ではない稲盛和夫氏の教えを思い出します。
氏の主張する「人生の方程式」は、今やビジネスマンを問わず老若男女に
浸透して来ています。
繰り返しになりますが、これも次に記します。
人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力
あるいは、成功=人格・理念×考え方×能力
個人にあっては「人格」法人においては「理念」と解釈し、
その理念を貫き通すのは、経営トップの「人格」と考えると、
分かりやすいのではないでしょうか?
私自身が貫いて来た考え方の軸の一つに、「自分には嘘をつくな!」があります。
人に嘘をついても良いというつもりはありません。
自分にと敢えて付け加えるのは、自分に嘘をついたら自分でなくなるからです。
私の株式会社リコー本社での本当に辛い一年間について詳しく記述することは
控えますが、ビジネスマンとしての輝かしい未来が開く可能性を、
自ら閉ざすことを承知で「自分に嘘をつくな!」を貫いたのです。

それにしても、日本を代表する企業の不祥事は、次から次と後を絶ちません。
東芝は前述した通り三菱、日産、現時点での直近は神戸製鋼所の数十年に及ぶ
データ改ざんであります。
経営幹部の人格に大いに疑問を抱かざるを得ないのです。
「それが正義か?」とか「大義があるか?」と自分に問いかけず、
本当にぐっすり眠ることが出来るのか?
それともそう言う私が、ただの小心者ということでしょうか?
そもそもの、不祥事の発生要因をよくよく考えてみると、
特に上場企業にあっては、株主の短期的な評価を気にし過ぎるところが
あると思っています。
また社外取締役の機能も働いていません。社外取締役に辛辣な発言が
出やすいようになっているのか?その発言を経営トップは真摯に受け止めることが
出来る器量を持っているのかどうかも問われるところであります。
「東芝のチャレンジ!」の背景も、無茶な業績追及にあり、神戸製鋼所など
他の企業の共通点は、不正をしてまでのコスト削減で、利益の追求、言い換えれば
「手段を選ばない経済合理性の追求」で、消費者を、取引先を、そして
一般社員までをも欺いているのです。
 
第82回・ライフスペースの広さとボキャブラリの多さ
2017-10-11
10月1日放映の「そこまで言って委員会」で、彼らしいパフオーマンスを
魅せていたその前日、久方ぶりに宋文洲(ソフトブレーン創業者)と
電話で楽しい時間を過ごしました。
一年後の弊社75周年記念事業の一環として、講演会講師としての打診が目的です。
超多忙で有名人、ちょうど話中でしたが、これまでの経緯からかかって来ると
思った通り十分もしないうちに、スマホが鳴りました。
 
以下にそのまんまの一部を記します。
「大下さん、電話くれました?」
「しましたよ。いやぁお久しぶりです。相変わらず多忙ですねぇ」
「大下さんお幾つになりました?」
「随分大きなりましてねぇ。ちょうど70です。」
「若いですよ。声が全然変わってないもの。」
「宋さん、これは受け売りですけどね、若さを保つ秘訣、二つあるそうです。
一つはライフスペースの広さ、もう一つはボキャブラリの多さだそうです。」
「えっ、ライフスペースの広さ?なるほどよく分かります。
それに大下さんはコミュニケーションが楽しい。表情がいいもん。」
彼こそライフスペースが比較にならないくらい広いし、ボキャブラリも
中国人ながら日本人が顔負けするほど豊富、辛辣な表現こそ多いが嫌味がない。
本題に入るのに時間のかけ過ぎは申し訳ないと用件を切り出すと
「その時期はちょうどアメリカにいる子供達の入学に関してアメリカを
縦断するくらい飛び回っているのでごめんなさい。」でした。
続いて「変な中国人より立派な日本人たくさんいるから~そんな話より、
名古屋に用事作るから一杯やりましょうよ。」
「万障繰り合わせますから是非お越し下さい。」
彼の人間力の広さと深さをあらためて感じたひと時でした。
2003年、リコーの東京本社に転勤になった時に、初めてお会いし、
仕事の絡みもありましたが意気投合、東京を離れる時
「一生の友達になって下さい。」と言われた時は感動です。
「中国人はみんなそう言うんですよ。」と言う人もいましたが、
彼の本音と信じ、他人の言うことに意を介さずです。
それを証明するようなエピソードを一つ。
リコー中部の社長室にいると、彼からの電話
「大下さん、今名古屋に来ているんだけど何処にいる?」
所在地を知らせると、ほどなくやって来ました。
「この事務所間借りさせてくれませんか?名古屋に支社を作りたいんです」
当時、東京海上ビルの19階20階の2フロアを借りており、スペース的には
問題はないもののセキュリテイ問題も危惧されるという意見もあり、
理由を伝え、お断りしました。
その後、リコー子会社に販売担当役員として異動も、いろいろ訳あり、
結局リコーグループを卒業することになりました。
宋さんの計らいでソフトブレーン(東証一部)の主席コンサルタントとしても
お世話にもなりました。
その後、弊社ミカワリコピーにより深く関わりたいという強い想いから、
契約を打ち切って欲しいと申し入れ、了承を得、宋さんにお礼方々報告すると
「僕にできることは何ですか?」と心配してくれました。
もちろん「私の方から勝手なお願いをしたのです。」と話すと納得でした。
この数分の電話のやり取りで、この変な中国人から学べます。
これまでも話中だったり、電話に出れない時は必ずかかってきます。
それも先ず「大下さん」が一番に来ます。数分の電話の中で何回か、
相手の名前が出て来るのです。
「一人称」より「二人称」を優先させるこれが彼の流儀です。考えさせられます。
 
第81回・スモールゴールの積み重ねの二乗が最終ゴールを決定付ける
2017-09-13
現役時代、デンソーの特別顧問(元社長)に講演を依頼し、
講演先の富山市からの帰り道、専用車で名古屋までの四時間あまりを
ご一緒させて頂くという“おまけ”まで頂戴したことがあります。
氏は70歳台後半というご高齢にもかかわらず、驚くほどパワフル
(講演時とご一緒させて頂いたゴルフ、車内での印象)で、
十年以上経過した今も鮮明に記憶に残っています。
以下に車内でのやり取りを簡略に記します。
「講演の原稿はご自身でお創りですか?」
「もちろん、自分で調べて組み立てますよ」
「私の場合、一時間話すのに、17.8時間はかかっていますが、
  どれくらいかけられますか?」
「因みに今回の準備には、その倍以上の時間をかけています。いつもそうだけどね」
「それは、失礼致しました。大いに反省です。以後、もっともっと準備に
  時間をかけるよう改めます」
長きにわたり、デンソーの社長、会長を務められた経済界のトップでさえ、
これだけの準備をされているというカルチャーショックが、
その後の生き方に大きな変化をもたらしました。
一言で表すなら“どんな場面であれ、言葉を発することをなめたらアカン”です。
仮に、3分のスピーチでも、インパクトのある話を心がけ、そのための
リソースの確保、整理は必須と肝に銘じました。
次に、三か月間にわたる外部機関による新人研修の閉講式でのスピーチの抜粋を記します。
「お疲れ様!この研修は本日で終了ですが、始まりでもあります。
二泊三日の第一ステップに始まり、三か月間の自己啓発、そして第三ステップは
一泊二日の完成合宿と見事、それぞれをクリアして来ました。
第一をクリアし、第二ステップへ、それをクリアして第三ステップへ、
全てをクリアしたから今があるのです」
続けて前述の特別顧問の講演の一部を引用し
「世の中で一番信用度の高いのが天気予報、一番低いのが政治家と言われますが、
その政治家の中で、好感が持てるのが、都知事の小池百合子氏です。
先の都議選における“都民ファースト”の候補者全員への激励文に添えた言葉が
”グリコですよ”だったそうです。
”あのランニング姿で片足を上げ、両手を挙げてゴールインする姿をイメージして、
どんなに苦しくても頑張って下さい”です。
結果は自民党の敵失もありましたが圧勝でした。
繰り返します。皆さんのビジネスマン人生は今が始まりです。
大目標(ファイナルゴール)までには、いくつものスモールゴールが待ち受け、
それぞれのゴールをクリアするためにスモールステップがあります。
幸運にも、この三か月間、そのミニ版ともいうべき貴重な体験をしました。
よく“努力の積み重ねが結果を生む”と云いますが、個人的には
“スモールゴールの積み重ねの二乗が最終ゴールを決定付ける”と思っています。
自ら意識して沢山のスモールゴールのクリアを積み重ねて下さい。
ご健闘を祈ります。以上!」です。
第79回のコラムでも“孫子の兵法”を熟知しておられるということに触れておりますが、
小池氏はもの凄く勉強されています。
これは想像ですが、“七つの習慣”に関しても熟知されているようです。
先ずは第二の習慣“終わりをイメージする”で、それが明確だから
“主体的になれる(第一)”と続き、ゴールインするために必要な
“優先事項の実践(第三)”ができたと思うのです。
たった一言“グリコですよ”で深い意味を伝えているのです。
 
第80回・~捲土重来に期待を込めて~
2017-08-09
一か月前、高校の同窓会で宿泊したホテルのスタッフ、すぐ前の小浜公園の
一角を指差し、「あそこが、地村夫妻が北朝鮮に拉致されたところですよ」と、
当時の拉致の様をリアルに教えてくれました。
実はその人、夫妻が帰って来られた時の市の総務課長、戸惑いながらも、
「本当に貴重な体験でした」と話される言葉が印象的でした。
ご承知の通り拉致被害者帰還の一翼を担ったのが当時、官房副長官だった
安倍晋三氏です。
個人的には、この時の一連の対応、そして半年前、アメリカ大統領選直後の
トランプ氏との会談、立場も中身もまるで違いますが非常に頼もしく映りました。
ここ近年の政権があまりにも短命だっただけに、ようやく中短期を見据えた
政治につながるのではと、大いに期待して来たのですが・・
一転したのは森友問題です。
首相を支える立場にある大臣の失言、党員のスキャンダルもあったとはいえ、
政権を揺るがすほどではありませんでしたが、これはいけない、と
危惧したのが、森友問題に続いての加計問題です。
メディアによっては、首相を擁護する論調あるも、政策云々よりも首相の人柄が
信用できないという理由が支持率急降下の原因になりました。
7月23日付け、日経「春秋」からの抜粋です。
「諌」という字は最近では、見かけることが少なくなった。「諫言」の他、
自らの命と引き換えにし、主君を正そうとする「諫死」も古典にあり、
江戸時代、黒田藩の家老が、「諫死」を覚悟で藩主の不品行を訴え、
お家の断絶を救った経緯がある。
一方、安倍首相の周囲にはわずかな諫言さえする人はいない。
お友達、同じ思想、イエスマンだけ、と党内からも皮肉られ、支持率は坂を転がる。
更に、こういう場合によく引用される唐の太宗の話、側近に対し諫言を
進んで求めたことにも触れています。
私の知人(友人だよと言ってくれるかも・・)に宋文洲がいます。
彼は外国人として初めて東証一部に上場した企業家です。
今は、辛辣な発言、歯に衣着せぬ発言を厭わない本質論者コメンテーターとして
活躍しています。
彼とは2003年に知り合い、その後も公私にわたり何かとお世話になっています。
今は、定期的に届くメールを通じ勉強させて貰っています。
直近の宋メール「トップの体質は組織を決める」の骨子の一部を紹介します。
「どんなトップでも自分がトップに相応しくないとは自ら思わない。
トップになった以上、トップにいることを当然だと思う。
そして長くやればやるほど、自分のなすことが正しいと勘違いするようになり、
媚を売るようになる。
この罠はとても居心地が良くて逃げ出す原動力がなかなか生まれない」
また最近読んだ「活眼活学」の著者、安岡正篤氏は
徳川幕府が長く続いた訳を説いた後、同様のことを言っています。
「藩主なり大将が、自分だけいい気になって、自分のご機嫌をとってくれるような
いい加減な人間だけ集めて満足していると、案外もろく、たちまちのうちに没落している。
これは成功者の末期によくある現象である」
8月3日の新内閣発足にあたっての記者会見の冒頭、歴史上かつてない謝罪、
それも8秒間、深々と頭を下げました。
一国の首相のこの態度(組閣人事も含めて)をもう一度信じ、捲土重来に
期待したいと思います。
不遜ながら長年の経験の中で実践して来たことの一つに
「企業経営においても与党内野党を加えた経営」があります。
決して面白くはありませんが・・。
 
第79回・「孫子の兵法」で都議選に圧勝
2017-07-12
都民ファーストの会の圧勝、自民党の大敗、まさに国政をも揺るがす
歴史的選挙でありました。
改めて「プレジデント5月29日号」を読み直しました。
小池百合子氏と池上彰氏の対談です。
小学生時代から“孫子の戦略”に親しみ、関連書を10冊所有、選挙でも
「孫子の兵法」を用いています。
またマーケティングオタクと自認する通り、「マーケティング戦略」についても
勉強されており、ビジネスでも戦争でも、重要なことはマーケティング
つまり戦略だと言い切っています。
一流の政治家ですが、ビジネスの世界に身を転じても、
即、一流の経営者になれると思います。
「敵を知り、己を知らば百戦危うからず」は、相手の事情を知り、
自分達の事情を知っていれば敗れることはない。
ビジネスも同様、マーケティングとは顧客のニーズを探る、
つまり相手のニーズを知る、「都民ファースト」も、都民のニーズを知らなければ、
政策もできないし、実践もできない、魂も入らないと言うのです。
戦略に止まらず、氏の経験の豊富さは圧倒的です。
自身の選挙では、92年の参議院議員を日本新党の全国比例代表で戦い、
衆議院では中選挙区、その後は小選挙区で戦っていますから、
1人区、2人区、それ以上の選挙区での戦い方も熟知しています。
 
戦略は続きます。
「卒を視ること嬰児の如し、故にこれを深谿(けい)に赴くべし」とありますが、
要するに、兵隊達を自分の子供のように見て大事にすれば皆頑張る、
結果、その通りになりました。
無名の候補者が小池氏とツーショット、加えて、氏からの強いメッセージとあっては
圧勝しかありません。
池上氏も続きます。
孫子に「兵は詭道なり」、つまり、戦争とは敵をあざむくとの意味だが、
一年前の6月29日に、都知事選出馬の記者会見を開いて、自民党東京都連会長の
石原伸晃氏を激怒させ、まさに詭道なりと感じたに対し、小池氏、
「勝兵は先ず勝ちてしかる後に戦いを求め、敗兵は先ず戦いてしかる後に勝ちを求む」
と返しています。
予め、勝利する態勢を整えてから戦う者が勝利を収め、戦いを始めてから慌てて
勝機をつかもうとする者は敗北に追いやられるとも言っています。
都民ファーストの会の公募、小池塾などは勝利する態勢を整える
具体的な行動だったのです。
それにしても、今回の都議選、余りにも勝ち過ぎ、と言うより、
自民党は負け過ぎました。
サッカーに喩えるならオウンゴール、しかも1点や2点じゃない、大量点です。
その一つ、ひとつには触れませんが、とても高学歴だったりエリートの
言動とは思えないことばかりです。
このコラムの「掟」(自分が勝手に創った)の一つに、
「自分の体験を入れる」があります。
現役時代、幸運ながら営業責任者とか、販売会社の社長を25年余にわたり、
務めさせて頂きましたが、自身に言い聞かせ、実践して来た「掟」(今も実践中)があります。
それは側近に対して「諫言」を求める姿勢であり、上司に対しては勇気を持って
「諫言」をする姿勢です。
代表的な例を記します。
受け入れた強烈な諫言は
「殿!ご乱心を・・」であり、
勇気を振り絞っての諫言は
「社長の信用が堕ちます」です。
惨敗の原因となってしまった人達は皆リーダーです。
もし一人ひとりに諫言を受け入れる姿勢、勇気を持って諫言する勇気があったならば、
如何に優れた戦略「孫子の兵法」を駆使したとしても、ここまでの結果には
ならなかったと思うのです。
 
第78回・その2~300年先を考える男が3000年前に学ぶ
2017-06-07
前回のコラム発信後、有難いことに何人かの読者から「続編を是非!」との
メールを頂戴しました。
余談ながら、このコラムの執筆を始めるにあたり、勝手に幾つかの
「決まり」を自分に課しています。その一つが.文字数です。
テーマによって、文字数が「決まりの1300~1400」に収まりきらない場合、
続編とは表記せず、テーマを少し変えて、続きのような内容にします。
今回は、最初から複数回になると予測したので、その1に続き、
その2と続けることにしました。
さて、テーマにもある300年先を考えるとは孫正義社長が、決算発表の席上でも
公言しています。
また3000年前というのは、「孫子の兵法」ができたのが、紀元前500年頃ですから
2500年超前、切り上げて3000年前としたのです。
「孫子の兵法」は先祖の作ではないかと言うほど、入れ込んでおり、
これにランチェスターの法則、更には孫氏自身の、猛勉強と体験から編み出した
「孫の二乗の兵法」を経営哲学に創り上げ、経営に活かしているのです。
以下に、2010年に開校した「ソフトバンクアカデミア」の開校式の講義で
語った内容を記します。
「今まで僕は何千冊の本を読み、あらゆる体験、試練を受けて、この二十五文字で
達成すれば、僕はリーダーシップを発揮できる。後継者になれる、本当の
統治者になれるというふうに心底思っている、その二十五文字です」
前回、その1のコラムは半導体の設計を牛耳る英アームの3.3兆円に上る
巨額のM&A、今回のその2は、サウジアラビアなどと10兆円規模の
投資フアンド発足の記事が、5月23日と24日の二日にわたり日経で
報じられたのがきっかけです。
記事の冒頭は、5月20日、世界中の注目を集めたトランプ氏の初外遊中、
トランプ氏同席のもと、サウジ政府関係者と契約書を交わした。
米アップル社なども出資するが、ソフトバンクの連結対象となる。
これまでのように44%という高い収益率でリターンを生めばドル箱となる
可能性を秘めているといったものです。
一方、アームのM&Aを含め有利子負債は14兆円、この額はスエ―デンの年間予算に
匹敵すると云いますから、借金王孫正義の面目躍如?といったところです。
次なる成長への大きな賭けにより、ソフトバンクは新たなリスクを
抱え込んだという冷ややかな見方も出ています。
「孫の二乗の兵法」の二段目の「頂情略七闘」は全て孫正義のオリジナルで、
その一字目の「頂」は山の頂上からの見える景色を想像するです。
今回の10兆円ファンド設立の決断も、人工知能(AI)によって人類史上最大の
パラダイムシフトが起きることを「山の頂上から見た目」で確認し、
AIによる情報革命が生む果実をファンドを通じて手中にすることが
できると確信したようです。
こんなとてつもないことをやる男が、実はしっかりと、
リスクヘッジをしています。
「孫の二乗の兵法」にある「群」戦略です。
同じ志を持った優秀な人物や、会社、今回は国家をも加えています。
同様に「頂情略七闘」の「七」は、7割以上の勝算が見込めればGO!
言い換えれば3割以上のリスクは冒さないと言っています。
これだけのことをやりながら、「本当はものすごく用心深いんです」と
言うのですから驚きです。
「孫子の兵法」は、広く読まれていますが、孫正義という天才が猛勉強して
開発した「孫の二乗の兵法」を実践し、幾多の試練を乗り越えて来た事実に
学ぶ価値の大きさをあらためて知らしめられたが実感です。
 
第77回・いきなりステーキにいきなり行く
2017-05-10
毎朝、欠かさず観るテレビ番組“モーニングサテライト”のコーナー
「経営者の薦める一冊」(4月25日放映)で、外食企業「いきなりステーキ」の
社長、一瀬氏が出演、氏の薦める「七つの習慣」が紹介されました。
「七つの習慣」と言えば、熟読し、その研修にも参加(オブザーブ)という
猛烈に入れ込んだ時期があります。
お蔭さまで、以来、私自身のビジネスマン人生を超え、
人生そのもののバイブルという位置付けになっています。
4年前、弊社新社屋移転記念の一環としてのセミナー、
「じじい放談:もう私の目から鱗が落ちることはない」は
「七つの習慣」を絡めたお話です。
内容は、現役時代苦境に立たされ、もう退社するしかないとまで悩み、
追い詰められた頃を振り返り、その原因と、そこから脱出するため、もがき、
苦しみ、何とか抜け出すことが出来たのは、実は、その原因も、
それを解決するための行動すべてが、「七つの習慣」に
網羅されていたということをご披露したものです。
社内における研修でも「七つの習慣」を引用し、仕事を進めて行く上で
腹落ちする言葉、例えば時間管理のマトリックス、重要ではあるが緊急でない、
ややもすると、放置されやすい、この“「第二領域」に時間を費やす努力”を、
リーダーの共通目標にしています。
また一瀬社長も言われる「信頼の残高」の意味を理解し、相手にとって有益になる
言動を積み重ねることで、信頼の残高を増やすことも促して来ました。
この「七つの習慣」を、風変わりな業態と驚異的な成長で注目の
「いきなりステーキ」を運営する一瀬社長が惚れ込み、活かしていると言いますから、
これを看過しては、私の信条(三現主義)に反すると、早速行って来ました。
イオンモールにある志都呂店です。
平日の19時30分なのに、「しばらくお待ちください」です。
ほどなく入れましたから良かったものの、これがもし、土、日だったら、
せっかちな私には、とても無理でした。
さて、次に店内の様子です。
先ず、メニューからステーキの種類と量を決めます。1グラム6.5円から10円まであり、
注文量は200グラム以上となっています。
創業時は立ち食いを売りにしていましたが、シニア、ファミリー客を取り込む狙いで
椅子席を設けています。
席のスペース、椅子の質(お値段以上ニトリ♪)など、ゆったり感と贅沢感はともかく、
肉の質、味、そして価格と、総合的に考えますと流行る理由がよく理解できます。
若い人が圧倒的に多く、因みに斜め前の30歳前後の男性客にびっくりです。
ゆうに500グラムはあろうかというステーキを頬張っていました。
良質のステーキを思いっきり、しかもリーズナブルな値段で食べるというシンプルで
明確な目的を持つ客を取り込む、つまり、「七つの習慣」の第二“目標を持つ”に続き、
第一の“主体性発揮”、そして第三の“重要事項を優先する”は、
「いきなりステーキ」へとつながるのです。
「七つの習慣」の第四“WINWINを考える”は、客側では、安くて美味しく、
大好きなステーキをたらふく食べるというWINであり、店側では回転率を上げることで
原価率が高くても儲かる構図が出来上がるというWINなのです。
一瀬社長の言葉、“もし、「七つの習慣」がなかったら今はない。
2009年に、O-157が発生し、経営危機に見舞われた時も、社長と社員の間に
積み上げられた「信頼の残高」に救われた”が強く心に響きました。
 
 
第76回・「新入社員へのメッセージ」からの抜粋~
2017-04-12
2017年4月、多くの新しい社会人が誕生し、弊社でも今年は
7名の仲間を迎えました。
昨年から取り入れた外部研修機関による、三ヶ月間
(第一ステップは二泊三日、第二ステップは三ヶ月におよぶ自己研修、
そして第三ステップは一泊二日の完成合宿)にわたる新人研修に加え、
メーカー主催の新人研修、弊社独自の研修も行っています。
その弊社研修の一環、先日「新入社員へのメッセージ」と題し80分間話しました。
以下にその骨子の一部を記します。
今の世の中、何かおかしいと思うところが幾つかあります。
自由主義、個性尊重のはき違え、頑張らない風潮の蔓延、愛社精神の欠落などと
枚挙にいとまがありません。
むしろ世の風潮に沿うかのように、本当は社員のためには決してならないと
思われる緩い会社の方が圧倒的に多いということを知るべきです。
せっかくの機会、君達新人に強く意識し、行動してもらいたいことを
二つに絞って話します。
先ず、第一に、仕事は自ら創るべきで与えられるべきではないということを
知るべきです。
当社の営業本部の行動指針に「考動」があります。これは、単に考え、
行動するというものではありません。
自らポジティブに考えることを習慣とし、仕事を進めて行く上で様々な
事象に出会うが、これは自分には関係はない他人事と流さず、
常に当事者意識を持って行動しなさいという意味をも持っているのです。
この当事者意識こそが最重要なキーワードです。
知っている人もいると思いますが、あのトヨタ発の{KAIZEN}は、
今や世界の共通語となっています。もうこれ以上絞っても水が出ない
「乾いた雑巾を絞る」という比喩があるほど、オールトヨタでの
「KAIZEN」は止まることを知りません。
時の流れは凄まじいまでに変化しています。
時には痛みを伴う変革も待ち受けているかもしれません。
企業が将来にわたって、お客様に支持され、永続的に発展し、
社員とその家族の生活を豊かなものへと導いて行くには、当社の経営理念
「仕事を通じて成長する」の通り、ここにいる皆さんが、進化し、
その原動力となるという以外にはありません。
また皆さんの大いなる可能性に期待するところ大なのです。
二つ目は、ちょっと極端な云い方をしますが「周囲を引きずり回せということ」です。
新人には分からないことが多いのは当たり前です。
恐れず、遠慮せず、積極的に先輩、上司に教えを請うて下さい。
可愛い後輩の皆さんには、誰も嫌な顔などせず、むしろ喜んで後輩、
部下の成長に期待し応えてくれる筈です。
~中略~
世間の偏った風潮に流されず、先輩、上司を信じて、
そして何より自分自身の成長に向けて、ポジティブに
「何からでも学ぶ姿勢」を大切にしてください。
そして結びには必ず使う自身の座右の銘「我が行いにせずば甲斐なし」で
終了とするところでしたが、初めてこの言葉に接する新人ゆえ、
以下の通り説明を加え散会としました。
 この言葉の持つ意味は
  ・自分を律する言葉
  ・自分への約束の言葉
  ・主体的に行動する
     行動せざるを得ない言葉
  ・自分への投資を促す言葉
    投資とは自分のお金、時間、労力
 
第75回・それぞれの立場での「変化に対応する責任と覚悟」
2017-03-08

トランプが大統領選で勝利して以来、過激な発言が世界を
揺るがしていただけに、初の施政方針演説が波乱なく終わったことで、
一気に安心感が広がりました。
基本的には「アメリカファースト」、自国の利益最優先ですから、
他国の立場では、依然として先行き不透明に変わりはありません。
昨年の英国のEU離脱に始まるグローバリズムの行き詰まりとの見方が増え、
この先、世界がどう動いて行くかは不透明です。
いずれにしても、エネルギーをはじめとした資源を外に頼らざるを
得ない日本で、またグロバリゼーションの進化と共に発展して来た日本が、
今後どのように自国を変化させて行けば良いのかは世界の流れに則った
方法にしか選択肢はないと思われます。
先の安倍総理とトランプ氏の首脳会談、それはまさに変化に敏感に
反応したお手本のようなもので、そのスピードと鮮やかさは
お見事という表現しか見当たらないものでした。
二国間での具体的な交渉はこれから始まりますが、貿易不均衡という言葉に
過敏になるばかりではなく、逆に広大な土地のアメリカでの巨額の
インフラ投資に、ビジネスチャンスがめぐって来る可能性にも期待できそうです。
一国のトップがその国、その国民を豊かで幸せにするという責任があるように、
企業を経営する立場にある者にも、会社を永続的に繁栄させ、社員が生き生きと
働ける環境創りをするという責任があります。
安倍総理の重要政策である成長戦略につながる施策の一つに
「働き方改革」があります。
その背景としては
① 人口減、労働人口の継続的な減少
② 長時間労働、残業などの悪しき慣習が改善されておらず社会問題にもなっている
③ ダイバーシティ(多様性)マネジメントがすすんでいない
などがあり、これらは生産性向上を妨げている要因であると云います。
生産性の向上は、「デフレからの脱却」と「富の拡大」とういう総理就任時からの
基本的なテーマであり、企業を経営する立場にあっても、そのテーマは
それに近いものと言って良いでしょう。
失われた10年、あるいは20年と云われ続けて来たその間、業界構造が変化し、
ビジネスを取り巻く環境も大きく変化している中で、企業そのものも変化しました。
また、見逃してはならないと思うのは社員の人生観、仕事観といった
価値観が大きく変わったことです。
ワークライフバランスという言葉が日常的に使われるようになったのもこの頃です。
こうした外部環境の大きな変化を受け止め、その変化に機敏に対応しながら、
競争に打ち勝って行くのも経営者の務めです。
その最も効果的と思える手段が、まだ一部を除いては、ほとんど進んでない、
あるいは着手すらしてないと思えるのが多様性マネジメントであると思うのです。
因みに、ここでいう多様性マネジメントとは「従業員の様々な個性、
価値観の違いを理解し、活用することにより、組織力を強化すること」と
定義します。
弊社では今、この考え方を「一人ひとりに対する人財育成」と合わせ
「一人ひとりの生産性の向上」を同時に進める手段として制度化すべく、
4月から始まる新年度に向けて準備を始めたところであります。
経営する側の責任として、社員一人ひとりの成長を支え、優秀な人財には
人並み以上に報いる。
また社員には、働く覚悟を持たせ、プロの働き手としての成果を生み出す
労働の質を高めることを求めて行くというものです。
 
 
第74回・「チャンスとオポチュニティ」そして「やり抜く力」
2017-02-08
大相撲ファンならずとも日本中が沸いたと言っても過言ではない、
稀勢の里の初優勝、そして日本出身力士の19年ぶりの横綱誕生です。
決して熱烈なファンではありませんが、それでも横綱に一番近い力士と、
期待しては「ああ~またか」と肝心な時に星を落とす彼にため息をついていました。
16年度の最多勝力士と知って「やっぱり力は横綱級」と認めつつも
「でも横綱昇進はどうかなあ?」が本音でした。
ところが、前場所、快進撃が続く13日目、対戦相手の大関豪栄道が休場、
不戦勝の勝ち名乗りを受けた時、これで「初優勝」は間違いないと
確信めいたものを感じたものです。
この13日目の不戦勝こそ「超ビッグなチャンス」到来と思ったのです。
今場所不調の豪栄道とはいえ、相手は前々場所優勝の大関です。
勝負は水物、何があるか分かりません。
日本語では「機会」と表わすこの言葉、実は英語では、「チャンス」の他に
最近よく使われるようなった「オポチュニティ」という単語があります。
調べてみますと「チャンス」というのは、神様が与えてくれた機会、
偶然訪れたという意味も持ち、一方の「オポチュニティ」は
自らが努力をして取りに行った好機とあります。
まさに13日目の不戦勝が神様の与えた「チャンス」だったのです。
その勢いで翌14日目の対戦相手、新鋭逸ノ城に勝ち、その同じ日、
星一つで追う白鵬が貴ノ岩に敗れて、あっけなく稀勢の里の初優勝が決まりました。
また千秋楽で宿敵白鵬を破ったことが「満場一致での横綱推挙」へと
つながりました。
と、まあここまでは、勝手な素人の浅はかな発想ですが、ベストセラーにも
なっている「やり抜く力(アンジェラ・ダックワース著)」では、
このあたりを実に科学的な論理で明快に説いてくれているので紹介します。
特に唸らされた部分を要約しますと、先ず一つ目は
「努力をしなければ才能も宝の持ち腐れ、努力によって才能はスキルになり、
そのスキルは努力によって生かされ、さまざまなものを生み出す」とあります。
才能×努力=スキル
スキル×努力=達成
「達成」を得るには「努力」が二回影響する、とあります。
稀勢の里は貴乃花に次ぐ若さで十両昇進を果たし、更に十両を二場所で通過し、
入幕を果たすというスピード出世をしながら、大関昇進力士としては
小結在位12場所という最多記録、更には大望に届くまでの大関在位場所は
31場所、これは歴代最長記録でもあります。
「やり抜く力」での二つ目の科学的論理は
「やり抜く力は(情熱)と(粘り強さ)の二つの要素でできていて、
(情熱)というのは一つのことにじっくりと長い間取り組む姿勢」とあります。
稀勢の里は少年時代、中学では野球選手(投手)として注目され、
常総学園をはじめとする強豪校からの勧誘もありながら
「自分はでかいだけ、野球はうまくない」との理由で断っていたところを鳴門親方が
入門に難色を示す両親や、中学の先生を熱心に説得して実現したと云います。
人生の大きなターニングポイントにおいて、中学生ながら最後は自分の意思を貫き、
恵まれた才能に磨きをかける努力を惜しまなかったことが、力士としての強力な
スキルを身につけました。
加えて幾度かのチャンスを逃しながらも、心折れることなく粘り強い努力を続け、
やり抜いた結果が今回の胸のすくような快挙を生んだと解釈しますと
大いに納得が行くのです。
 
   
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