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大下智のビジネスコラム

 

ビジネスコラム【――素描――】 著者・大下智のご紹介

ビジネスコラム【――素描――】 著者・大下智のご紹介
 
弊社常務・大下智・略歴
(株)リコーの国内マーケティング部門において40年以上のキャリアを持つ。
マネージャーとしては、福井リコー株式会社敦賀営業所所長を皮切りに、以後同社営業部長、兵庫リコー営業本部長、岐阜リコー代表取締役社長、株式会社リコー販売事業本部副本部長、リコー中部株式会社代表取締役社長などを歴任し、そのいずれもをリコーグループ中のトップ会社へと牽引する。
2004年にはダイヤモンド誌の「日本の営業40人」に選出される。
また、現在、出身地・福井県若狭町のふるさと大使としても活躍中。
 

大下智のビジネスコラム【――素描――】 バックナンバー

大下智のビジネスコラム【――素描――】 バックナンバー
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第80回・~捲土重来に期待を込めて~
2017-08-09
一か月前、高校の同窓会で宿泊したホテルのスタッフ、すぐ前の小浜公園の
一角を指差し、「あそこが、地村夫妻が北朝鮮に拉致されたところですよ」と、
当時の拉致の様をリアルに教えてくれました。
実はその人、夫妻が帰って来られた時の市の総務課長、戸惑いながらも、
「本当に貴重な体験でした」と話される言葉が印象的でした。
ご承知の通り拉致被害者帰還の一翼を担ったのが当時、官房副長官だった
安倍晋三氏です。
個人的には、この時の一連の対応、そして半年前、アメリカ大統領選直後の
トランプ氏との会談、立場も中身もまるで違いますが非常に頼もしく映りました。
ここ近年の政権があまりにも短命だっただけに、ようやく中短期を見据えた
政治につながるのではと、大いに期待して来たのですが・・
一転したのは森友問題です。
首相を支える立場にある大臣の失言、党員のスキャンダルもあったとはいえ、
政権を揺るがすほどではありませんでしたが、これはいけない、と
危惧したのが、森友問題に続いての加計問題です。
メディアによっては、首相を擁護する論調あるも、政策云々よりも首相の人柄が
信用できないという理由が支持率急降下の原因になりました。
7月23日付け、日経「春秋」からの抜粋です。
「諌」という字は最近では、見かけることが少なくなった。「諫言」の他、
自らの命と引き換えにし、主君を正そうとする「諫死」も古典にあり、
江戸時代、黒田藩の家老が、「諫死」を覚悟で藩主の不品行を訴え、
お家の断絶を救った経緯がある。
一方、安倍首相の周囲にはわずかな諫言さえする人はいない。
お友達、同じ思想、イエスマンだけ、と党内からも皮肉られ、支持率は坂を転がる。
更に、こういう場合によく引用される唐の太宗の話、側近に対し諫言を
進んで求めたことにも触れています。
私の知人(友人だよと言ってくれるかも・・)に宋文洲がいます。
彼は外国人として初めて東証一部に上場した企業家です。
今は、辛辣な発言、歯に衣着せぬ発言を厭わない本質論者コメンテーターとして
活躍しています。
彼とは2003年に知り合い、その後も公私にわたり何かとお世話になっています。
今は、定期的に届くメールを通じ勉強させて貰っています。
直近の宋メール「トップの体質は組織を決める」の骨子の一部を紹介します。
「どんなトップでも自分がトップに相応しくないとは自ら思わない。
トップになった以上、トップにいることを当然だと思う。
そして長くやればやるほど、自分のなすことが正しいと勘違いするようになり、
媚を売るようになる。
この罠はとても居心地が良くて逃げ出す原動力がなかなか生まれない」
また最近読んだ「活眼活学」の著者、安岡正篤氏は
徳川幕府が長く続いた訳を説いた後、同様のことを言っています。
「藩主なり大将が、自分だけいい気になって、自分のご機嫌をとってくれるような
いい加減な人間だけ集めて満足していると、案外もろく、たちまちのうちに没落している。
これは成功者の末期によくある現象である」
8月3日の新内閣発足にあたっての記者会見の冒頭、歴史上かつてない謝罪、
それも8秒間、深々と頭を下げました。
一国の首相のこの態度(組閣人事も含めて)をもう一度信じ、捲土重来に
期待したいと思います。
不遜ながら長年の経験の中で実践して来たことの一つに
「企業経営においても与党内野党を加えた経営」があります。
決して面白くはありませんが・・。
 
第79回・「孫子の兵法」で都議選に圧勝
2017-07-12
都民ファーストの会の圧勝、自民党の大敗、まさに国政をも揺るがす
歴史的選挙でありました。
改めて「プレジデント5月29日号」を読み直しました。
小池百合子氏と池上彰氏の対談です。
小学生時代から“孫子の戦略”に親しみ、関連書を10冊所有、選挙でも
「孫子の兵法」を用いています。
またマーケティングオタクと自認する通り、「マーケティング戦略」についても
勉強されており、ビジネスでも戦争でも、重要なことはマーケティング
つまり戦略だと言い切っています。
一流の政治家ですが、ビジネスの世界に身を転じても、
即、一流の経営者になれると思います。
「敵を知り、己を知らば百戦危うからず」は、相手の事情を知り、
自分達の事情を知っていれば敗れることはない。
ビジネスも同様、マーケティングとは顧客のニーズを探る、
つまり相手のニーズを知る、「都民ファースト」も、都民のニーズを知らなければ、
政策もできないし、実践もできない、魂も入らないと言うのです。
戦略に止まらず、氏の経験の豊富さは圧倒的です。
自身の選挙では、92年の参議院議員を日本新党の全国比例代表で戦い、
衆議院では中選挙区、その後は小選挙区で戦っていますから、
1人区、2人区、それ以上の選挙区での戦い方も熟知しています。
 
戦略は続きます。
「卒を視ること嬰児の如し、故にこれを深谿(けい)に赴くべし」とありますが、
要するに、兵隊達を自分の子供のように見て大事にすれば皆頑張る、
結果、その通りになりました。
無名の候補者が小池氏とツーショット、加えて、氏からの強いメッセージとあっては
圧勝しかありません。
池上氏も続きます。
孫子に「兵は詭道なり」、つまり、戦争とは敵をあざむくとの意味だが、
一年前の6月29日に、都知事選出馬の記者会見を開いて、自民党東京都連会長の
石原伸晃氏を激怒させ、まさに詭道なりと感じたに対し、小池氏、
「勝兵は先ず勝ちてしかる後に戦いを求め、敗兵は先ず戦いてしかる後に勝ちを求む」
と返しています。
予め、勝利する態勢を整えてから戦う者が勝利を収め、戦いを始めてから慌てて
勝機をつかもうとする者は敗北に追いやられるとも言っています。
都民ファーストの会の公募、小池塾などは勝利する態勢を整える
具体的な行動だったのです。
それにしても、今回の都議選、余りにも勝ち過ぎ、と言うより、
自民党は負け過ぎました。
サッカーに喩えるならオウンゴール、しかも1点や2点じゃない、大量点です。
その一つ、ひとつには触れませんが、とても高学歴だったりエリートの
言動とは思えないことばかりです。
このコラムの「掟」(自分が勝手に創った)の一つに、
「自分の体験を入れる」があります。
現役時代、幸運ながら営業責任者とか、販売会社の社長を25年余にわたり、
務めさせて頂きましたが、自身に言い聞かせ、実践して来た「掟」(今も実践中)があります。
それは側近に対して「諫言」を求める姿勢であり、上司に対しては勇気を持って
「諫言」をする姿勢です。
代表的な例を記します。
受け入れた強烈な諫言は
「殿!ご乱心を・・」であり、
勇気を振り絞っての諫言は
「社長の信用が堕ちます」です。
惨敗の原因となってしまった人達は皆リーダーです。
もし一人ひとりに諫言を受け入れる姿勢、勇気を持って諫言する勇気があったならば、
如何に優れた戦略「孫子の兵法」を駆使したとしても、ここまでの結果には
ならなかったと思うのです。
 
第78回・その2~300年先を考える男が3000年前に学ぶ
2017-06-07
前回のコラム発信後、有難いことに何人かの読者から「続編を是非!」との
メールを頂戴しました。
余談ながら、このコラムの執筆を始めるにあたり、勝手に幾つかの
「決まり」を自分に課しています。その一つが.文字数です。
テーマによって、文字数が「決まりの1300~1400」に収まりきらない場合、
続編とは表記せず、テーマを少し変えて、続きのような内容にします。
今回は、最初から複数回になると予測したので、その1に続き、
その2と続けることにしました。
さて、テーマにもある300年先を考えるとは孫正義社長が、決算発表の席上でも
公言しています。
また3000年前というのは、「孫子の兵法」ができたのが、紀元前500年頃ですから
2500年超前、切り上げて3000年前としたのです。
「孫子の兵法」は先祖の作ではないかと言うほど、入れ込んでおり、
これにランチェスターの法則、更には孫氏自身の、猛勉強と体験から編み出した
「孫の二乗の兵法」を経営哲学に創り上げ、経営に活かしているのです。
以下に、2010年に開校した「ソフトバンクアカデミア」の開校式の講義で
語った内容を記します。
「今まで僕は何千冊の本を読み、あらゆる体験、試練を受けて、この二十五文字で
達成すれば、僕はリーダーシップを発揮できる。後継者になれる、本当の
統治者になれるというふうに心底思っている、その二十五文字です」
前回、その1のコラムは半導体の設計を牛耳る英アームの3.3兆円に上る
巨額のM&A、今回のその2は、サウジアラビアなどと10兆円規模の
投資フアンド発足の記事が、5月23日と24日の二日にわたり日経で
報じられたのがきっかけです。
記事の冒頭は、5月20日、世界中の注目を集めたトランプ氏の初外遊中、
トランプ氏同席のもと、サウジ政府関係者と契約書を交わした。
米アップル社なども出資するが、ソフトバンクの連結対象となる。
これまでのように44%という高い収益率でリターンを生めばドル箱となる
可能性を秘めているといったものです。
一方、アームのM&Aを含め有利子負債は14兆円、この額はスエ―デンの年間予算に
匹敵すると云いますから、借金王孫正義の面目躍如?といったところです。
次なる成長への大きな賭けにより、ソフトバンクは新たなリスクを
抱え込んだという冷ややかな見方も出ています。
「孫の二乗の兵法」の二段目の「頂情略七闘」は全て孫正義のオリジナルで、
その一字目の「頂」は山の頂上からの見える景色を想像するです。
今回の10兆円ファンド設立の決断も、人工知能(AI)によって人類史上最大の
パラダイムシフトが起きることを「山の頂上から見た目」で確認し、
AIによる情報革命が生む果実をファンドを通じて手中にすることが
できると確信したようです。
こんなとてつもないことをやる男が、実はしっかりと、
リスクヘッジをしています。
「孫の二乗の兵法」にある「群」戦略です。
同じ志を持った優秀な人物や、会社、今回は国家をも加えています。
同様に「頂情略七闘」の「七」は、7割以上の勝算が見込めればGO!
言い換えれば3割以上のリスクは冒さないと言っています。
これだけのことをやりながら、「本当はものすごく用心深いんです」と
言うのですから驚きです。
「孫子の兵法」は、広く読まれていますが、孫正義という天才が猛勉強して
開発した「孫の二乗の兵法」を実践し、幾多の試練を乗り越えて来た事実に
学ぶ価値の大きさをあらためて知らしめられたが実感です。
 
第77回・いきなりステーキにいきなり行く
2017-05-10
毎朝、欠かさず観るテレビ番組“モーニングサテライト”のコーナー
「経営者の薦める一冊」(4月25日放映)で、外食企業「いきなりステーキ」の
社長、一瀬氏が出演、氏の薦める「七つの習慣」が紹介されました。
「七つの習慣」と言えば、熟読し、その研修にも参加(オブザーブ)という
猛烈に入れ込んだ時期があります。
お蔭さまで、以来、私自身のビジネスマン人生を超え、
人生そのもののバイブルという位置付けになっています。
4年前、弊社新社屋移転記念の一環としてのセミナー、
「じじい放談:もう私の目から鱗が落ちることはない」は
「七つの習慣」を絡めたお話です。
内容は、現役時代苦境に立たされ、もう退社するしかないとまで悩み、
追い詰められた頃を振り返り、その原因と、そこから脱出するため、もがき、
苦しみ、何とか抜け出すことが出来たのは、実は、その原因も、
それを解決するための行動すべてが、「七つの習慣」に
網羅されていたということをご披露したものです。
社内における研修でも「七つの習慣」を引用し、仕事を進めて行く上で
腹落ちする言葉、例えば時間管理のマトリックス、重要ではあるが緊急でない、
ややもすると、放置されやすい、この“「第二領域」に時間を費やす努力”を、
リーダーの共通目標にしています。
また一瀬社長も言われる「信頼の残高」の意味を理解し、相手にとって有益になる
言動を積み重ねることで、信頼の残高を増やすことも促して来ました。
この「七つの習慣」を、風変わりな業態と驚異的な成長で注目の
「いきなりステーキ」を運営する一瀬社長が惚れ込み、活かしていると言いますから、
これを看過しては、私の信条(三現主義)に反すると、早速行って来ました。
イオンモールにある志都呂店です。
平日の19時30分なのに、「しばらくお待ちください」です。
ほどなく入れましたから良かったものの、これがもし、土、日だったら、
せっかちな私には、とても無理でした。
さて、次に店内の様子です。
先ず、メニューからステーキの種類と量を決めます。1グラム6.5円から10円まであり、
注文量は200グラム以上となっています。
創業時は立ち食いを売りにしていましたが、シニア、ファミリー客を取り込む狙いで
椅子席を設けています。
席のスペース、椅子の質(お値段以上ニトリ♪)など、ゆったり感と贅沢感はともかく、
肉の質、味、そして価格と、総合的に考えますと流行る理由がよく理解できます。
若い人が圧倒的に多く、因みに斜め前の30歳前後の男性客にびっくりです。
ゆうに500グラムはあろうかというステーキを頬張っていました。
良質のステーキを思いっきり、しかもリーズナブルな値段で食べるというシンプルで
明確な目的を持つ客を取り込む、つまり、「七つの習慣」の第二“目標を持つ”に続き、
第一の“主体性発揮”、そして第三の“重要事項を優先する”は、
「いきなりステーキ」へとつながるのです。
「七つの習慣」の第四“WINWINを考える”は、客側では、安くて美味しく、
大好きなステーキをたらふく食べるというWINであり、店側では回転率を上げることで
原価率が高くても儲かる構図が出来上がるというWINなのです。
一瀬社長の言葉、“もし、「七つの習慣」がなかったら今はない。
2009年に、O-157が発生し、経営危機に見舞われた時も、社長と社員の間に
積み上げられた「信頼の残高」に救われた”が強く心に響きました。
 
 
第76回・「新入社員へのメッセージ」からの抜粋~
2017-04-12
2017年4月、多くの新しい社会人が誕生し、弊社でも今年は
7名の仲間を迎えました。
昨年から取り入れた外部研修機関による、三ヶ月間
(第一ステップは二泊三日、第二ステップは三ヶ月におよぶ自己研修、
そして第三ステップは一泊二日の完成合宿)にわたる新人研修に加え、
メーカー主催の新人研修、弊社独自の研修も行っています。
その弊社研修の一環、先日「新入社員へのメッセージ」と題し80分間話しました。
以下にその骨子の一部を記します。
今の世の中、何かおかしいと思うところが幾つかあります。
自由主義、個性尊重のはき違え、頑張らない風潮の蔓延、愛社精神の欠落などと
枚挙にいとまがありません。
むしろ世の風潮に沿うかのように、本当は社員のためには決してならないと
思われる緩い会社の方が圧倒的に多いということを知るべきです。
せっかくの機会、君達新人に強く意識し、行動してもらいたいことを
二つに絞って話します。
先ず、第一に、仕事は自ら創るべきで与えられるべきではないということを
知るべきです。
当社の営業本部の行動指針に「考動」があります。これは、単に考え、
行動するというものではありません。
自らポジティブに考えることを習慣とし、仕事を進めて行く上で様々な
事象に出会うが、これは自分には関係はない他人事と流さず、
常に当事者意識を持って行動しなさいという意味をも持っているのです。
この当事者意識こそが最重要なキーワードです。
知っている人もいると思いますが、あのトヨタ発の{KAIZEN}は、
今や世界の共通語となっています。もうこれ以上絞っても水が出ない
「乾いた雑巾を絞る」という比喩があるほど、オールトヨタでの
「KAIZEN」は止まることを知りません。
時の流れは凄まじいまでに変化しています。
時には痛みを伴う変革も待ち受けているかもしれません。
企業が将来にわたって、お客様に支持され、永続的に発展し、
社員とその家族の生活を豊かなものへと導いて行くには、当社の経営理念
「仕事を通じて成長する」の通り、ここにいる皆さんが、進化し、
その原動力となるという以外にはありません。
また皆さんの大いなる可能性に期待するところ大なのです。
二つ目は、ちょっと極端な云い方をしますが「周囲を引きずり回せということ」です。
新人には分からないことが多いのは当たり前です。
恐れず、遠慮せず、積極的に先輩、上司に教えを請うて下さい。
可愛い後輩の皆さんには、誰も嫌な顔などせず、むしろ喜んで後輩、
部下の成長に期待し応えてくれる筈です。
~中略~
世間の偏った風潮に流されず、先輩、上司を信じて、
そして何より自分自身の成長に向けて、ポジティブに
「何からでも学ぶ姿勢」を大切にしてください。
そして結びには必ず使う自身の座右の銘「我が行いにせずば甲斐なし」で
終了とするところでしたが、初めてこの言葉に接する新人ゆえ、
以下の通り説明を加え散会としました。
 この言葉の持つ意味は
  ・自分を律する言葉
  ・自分への約束の言葉
  ・主体的に行動する
     行動せざるを得ない言葉
  ・自分への投資を促す言葉
    投資とは自分のお金、時間、労力
 
第75回・それぞれの立場での「変化に対応する責任と覚悟」
2017-03-08

トランプが大統領選で勝利して以来、過激な発言が世界を
揺るがしていただけに、初の施政方針演説が波乱なく終わったことで、
一気に安心感が広がりました。
基本的には「アメリカファースト」、自国の利益最優先ですから、
他国の立場では、依然として先行き不透明に変わりはありません。
昨年の英国のEU離脱に始まるグローバリズムの行き詰まりとの見方が増え、
この先、世界がどう動いて行くかは不透明です。
いずれにしても、エネルギーをはじめとした資源を外に頼らざるを
得ない日本で、またグロバリゼーションの進化と共に発展して来た日本が、
今後どのように自国を変化させて行けば良いのかは世界の流れに則った
方法にしか選択肢はないと思われます。
先の安倍総理とトランプ氏の首脳会談、それはまさに変化に敏感に
反応したお手本のようなもので、そのスピードと鮮やかさは
お見事という表現しか見当たらないものでした。
二国間での具体的な交渉はこれから始まりますが、貿易不均衡という言葉に
過敏になるばかりではなく、逆に広大な土地のアメリカでの巨額の
インフラ投資に、ビジネスチャンスがめぐって来る可能性にも期待できそうです。
一国のトップがその国、その国民を豊かで幸せにするという責任があるように、
企業を経営する立場にある者にも、会社を永続的に繁栄させ、社員が生き生きと
働ける環境創りをするという責任があります。
安倍総理の重要政策である成長戦略につながる施策の一つに
「働き方改革」があります。
その背景としては
① 人口減、労働人口の継続的な減少
② 長時間労働、残業などの悪しき慣習が改善されておらず社会問題にもなっている
③ ダイバーシティ(多様性)マネジメントがすすんでいない
などがあり、これらは生産性向上を妨げている要因であると云います。
生産性の向上は、「デフレからの脱却」と「富の拡大」とういう総理就任時からの
基本的なテーマであり、企業を経営する立場にあっても、そのテーマは
それに近いものと言って良いでしょう。
失われた10年、あるいは20年と云われ続けて来たその間、業界構造が変化し、
ビジネスを取り巻く環境も大きく変化している中で、企業そのものも変化しました。
また、見逃してはならないと思うのは社員の人生観、仕事観といった
価値観が大きく変わったことです。
ワークライフバランスという言葉が日常的に使われるようになったのもこの頃です。
こうした外部環境の大きな変化を受け止め、その変化に機敏に対応しながら、
競争に打ち勝って行くのも経営者の務めです。
その最も効果的と思える手段が、まだ一部を除いては、ほとんど進んでない、
あるいは着手すらしてないと思えるのが多様性マネジメントであると思うのです。
因みに、ここでいう多様性マネジメントとは「従業員の様々な個性、
価値観の違いを理解し、活用することにより、組織力を強化すること」と
定義します。
弊社では今、この考え方を「一人ひとりに対する人財育成」と合わせ
「一人ひとりの生産性の向上」を同時に進める手段として制度化すべく、
4月から始まる新年度に向けて準備を始めたところであります。
経営する側の責任として、社員一人ひとりの成長を支え、優秀な人財には
人並み以上に報いる。
また社員には、働く覚悟を持たせ、プロの働き手としての成果を生み出す
労働の質を高めることを求めて行くというものです。
 
 
第74回・「チャンスとオポチュニティ」そして「やり抜く力」
2017-02-08
大相撲ファンならずとも日本中が沸いたと言っても過言ではない、
稀勢の里の初優勝、そして日本出身力士の19年ぶりの横綱誕生です。
決して熱烈なファンではありませんが、それでも横綱に一番近い力士と、
期待しては「ああ~またか」と肝心な時に星を落とす彼にため息をついていました。
16年度の最多勝力士と知って「やっぱり力は横綱級」と認めつつも
「でも横綱昇進はどうかなあ?」が本音でした。
ところが、前場所、快進撃が続く13日目、対戦相手の大関豪栄道が休場、
不戦勝の勝ち名乗りを受けた時、これで「初優勝」は間違いないと
確信めいたものを感じたものです。
この13日目の不戦勝こそ「超ビッグなチャンス」到来と思ったのです。
今場所不調の豪栄道とはいえ、相手は前々場所優勝の大関です。
勝負は水物、何があるか分かりません。
日本語では「機会」と表わすこの言葉、実は英語では、「チャンス」の他に
最近よく使われるようなった「オポチュニティ」という単語があります。
調べてみますと「チャンス」というのは、神様が与えてくれた機会、
偶然訪れたという意味も持ち、一方の「オポチュニティ」は
自らが努力をして取りに行った好機とあります。
まさに13日目の不戦勝が神様の与えた「チャンス」だったのです。
その勢いで翌14日目の対戦相手、新鋭逸ノ城に勝ち、その同じ日、
星一つで追う白鵬が貴ノ岩に敗れて、あっけなく稀勢の里の初優勝が決まりました。
また千秋楽で宿敵白鵬を破ったことが「満場一致での横綱推挙」へと
つながりました。
と、まあここまでは、勝手な素人の浅はかな発想ですが、ベストセラーにも
なっている「やり抜く力(アンジェラ・ダックワース著)」では、
このあたりを実に科学的な論理で明快に説いてくれているので紹介します。
特に唸らされた部分を要約しますと、先ず一つ目は
「努力をしなければ才能も宝の持ち腐れ、努力によって才能はスキルになり、
そのスキルは努力によって生かされ、さまざまなものを生み出す」とあります。
才能×努力=スキル
スキル×努力=達成
「達成」を得るには「努力」が二回影響する、とあります。
稀勢の里は貴乃花に次ぐ若さで十両昇進を果たし、更に十両を二場所で通過し、
入幕を果たすというスピード出世をしながら、大関昇進力士としては
小結在位12場所という最多記録、更には大望に届くまでの大関在位場所は
31場所、これは歴代最長記録でもあります。
「やり抜く力」での二つ目の科学的論理は
「やり抜く力は(情熱)と(粘り強さ)の二つの要素でできていて、
(情熱)というのは一つのことにじっくりと長い間取り組む姿勢」とあります。
稀勢の里は少年時代、中学では野球選手(投手)として注目され、
常総学園をはじめとする強豪校からの勧誘もありながら
「自分はでかいだけ、野球はうまくない」との理由で断っていたところを鳴門親方が
入門に難色を示す両親や、中学の先生を熱心に説得して実現したと云います。
人生の大きなターニングポイントにおいて、中学生ながら最後は自分の意思を貫き、
恵まれた才能に磨きをかける努力を惜しまなかったことが、力士としての強力な
スキルを身につけました。
加えて幾度かのチャンスを逃しながらも、心折れることなく粘り強い努力を続け、
やり抜いた結果が今回の胸のすくような快挙を生んだと解釈しますと
大いに納得が行くのです。
 
 
【第73回・手応えを感じる時】
2017-01-11
新年明けましておめでとうございます。
今年も拙いビジネスコラムではありますが、お付き合い下さいますよう
お願い致します。
さて、恥ずかしながら、新しい年2017年を迎えるにあたっての弊社の
取り組みの一端をご披露致します。
昨年12月30日から始まる年末年始休暇を活用して、全社員を対象に
論文提出を義務付けました。
先ず発信の内容の抜粋です。
論文テーマ・・新しい年2017年を迎えるにあたって、自分の職責での
具体的な取り組みで選択テーマは4者択一です。
①「私への約束」
②「ザ、挑戦」
③「私は変わる」
④「組織改革」
 論文の長さ
  原稿用紙3枚以上4枚以下
  文字数・・1200~1600
目的
1、営業本部長の基本的な考え方の「考動」を具現化すること
2、2016年を振り返り整理し、新しい年2017年を迎えること
3、仕事を通じて社員が成長する(経営理念)きっかけにしたい
4、社員一人ひとりの考え方を理解し、経営に活かす
                        などです。
この数年(6期)連続黒字基調で推移するも、踊り場(2年前後)状態から抜け切れず、
社員の成長も伸び悩み、何らかの手を打つ必要を感じていました。
年末、年始の貴重な休暇だけに、ひんしゅくを買うのは承知の上でしたが、仕事始めの
1月5日、理解してくれた全社員が納期をきっちり守って提出してくれました。
書き馴れていない社員も多く、相当時間もかかったようです。
因みに書き馴れている筈の私も、原稿用紙4枚に7時間くらいは要しました。
選んだテーマは組織改革で、そのキーワードは「従来や先例からの脱皮」です。
今回の試みはその一歩でもあります。
全社員の論文を読み終えた今(1月9日)、深い感動を覚えました。
社員が真摯に向き合い、多くの貴重な時間を費やしてくれました。
本当にご苦労をかけたとは思っていますが、人生のターニングポイントになったと
思われる社員が何人もいますし、この機会に感謝してくれた社員も少なくありません。
それを示す代表的な論文の一節を添えます。
人生の多くの時間を仕事で費やすことになるが、この時間を有意義なものにしなければならない。
自分のためにも努力を惜しまない1年にする。今年は仕事の対価である所得目標を
明確にして必ず達成する、それが会社に貢献することになる(3年目の営業マン)
話すことが苦手だからCEとして就職したが、話さなければ話にならない。
コミュニケーション力研修で自信が付き、更に磨きをかけたい(CS推進部2年目)
会社から強制されてはいないが、お客様のためにも自分のためにも
ハードルの高い資格を必ず取得する(ドコモショップ担当)
思っていた以上の論文の効果がありました。
上司の立場で、論文の内容から部下一人ひとりにあった成長のための指導が出来、
また、会社の責任として着手すべきことにも気づかされます。
1年に一度全社員が自分の成長のために、振り返り、新たな高みを目標にして、
来るべき新年を迎えることに大きな意義を感じます。
全社員の論文を読み終え、6項目(現状認識.課題解決など)で審査しました。
今後の育成のポイントのツールとしての活用が目的で、おまけとして優秀作、佳作を選び、
お年玉という報奨を与えるためです。
これまでも何社かの改革において様々な取組をして来ていますが、
「これで変わる」と確信が持てるような瞬間を幾度か経験しています。
まさに今、圧倒的多数の社員の成長が促され、踊り場からの脱却に
確かな手応えを感じているのです。
 
第72回・「今朝知らなかったけど、今、知っていることは何か?」
2017-01-19
「一日の終わりに、この問いに毎日答えられるのなら、きっと貴方も
その分野のトップになれる」
これは、“屁理屈なし社長のための時間の使い方”というタイトルの
著者、ダン・S・ケネディ氏の言葉です。
世界屈指の億万長者メーカーと云われるマーケッティングコンサルタントで
知られています。
彼の凄さは、超高額なフィーが物語っています。
コンサル料金・・一日最低128万円
コーチングプログラム・・年間320万円以上
広告キャンペーンプロジェクト
  1プロジェクトあたり1000万円以上+売上げに応じた%ロイヤリティ
超高額であってもキャンセル待ちの状態と云います。
その訳は、常に需要が供給(提供するサービス)を上回ることを目指し、
日々様々な活動を行っているところにあります。
具体的には新しい依頼を生み出すために手紙を出し、電話をし、記事を発表する。
講演会の契約を確保するなどです。
需要>供給であれば、クライアントが選べ、興味深いプロジェクトのみ請負う。
当然報酬も高額になります。
その彼が、実に面白く、分かりやすく語っています。
彼曰く
「次の情報をもらえれば、あなたの銀行口座の残高が1年後いくらになっているか、
とても正確に予測することができる。
 ・今日の銀行口座残高
 ・先月読んだ本とオーディオプログラム(聴いて学ぶ)のリスト
 ・一番よく行動を共にする5人についてのある程度の情報
 ・平均的な一週間に、時間をどう使うかについてのちょっとした分析」です。
余談ながら、この考え方、採用時にも使えそうです。
そして「因みに9割の人について、こうした予測をするのは実に簡単だ。
正解は前の年と同じ」と続き
更に「成功とは、単にあなたが自分の時間を使って何をしているかを
反映したものに過ぎない」と断じているのです。
じゃあどうすれば良いのか?
彼の答えをそのまま紹介します。
「自分のビジネスの成功を促すためにできる、最も重要で、最も肝心な、
最も生産的で、最も価値のあることを三つ明らかにして書き出す。」
それから「その三つをもとにあなたが毎日実行できる三つの行動を考える。
それも書き出そう。」です。
この言葉、人財育成にも極めて有効に活用出来そうです。
9割かどうかは別として、世の中の多くの人は、早くて、簡単に、努力なしで
成功する方法を求め、何度も何度も繰り返して学び、
そして更に次から次へと新しいことを学び続ける、成功するために
必要な努力には背を向けます。
一方、ピラミッドの頂点にいるごく少数の人たちは、日々熱心に学び、
知識を増やし、能力を高める努力をしているのです。
米大統領選に見事当選を果たしたドナルド・トランプ氏は、
彼のセミナーに熱心に参加しています。
云うまでもなく、トランプ氏は、自身の分野においては世界のトップに
いる人です。そういう人物は皆、日々向上するために学んでいるということです。
「今朝知らなかったけど、今、知っていることは何か?」
あらためて、自分自身に問いかけますと、目覚めたときに知らなかったことを、
一日の終わりに知ることが出来た日も少なくなかったと思います。
ですが、それは結果論にすぎません。
毎日、自分に問いかけ、答えられる。多くを望まず、それがたとえ取るに足らない
些細なことであったとしても、それを習慣にする。
挑戦に値する新たな課題です。
因みに私の座右の銘は「我が行いにせずば甲斐なし」です。
 
第71回・どうする?豊洲市場、東京五輪会場
2016-11-09
このテーマを避けて通ったら叱られそうです。
地下水、空中から砒素、ベンゼン、水銀など人体に悪影響を及ぼす有害物質が
検出され、豊洲新市場への移転が危ぶまれています。
来年2月まで移転問題が延期になっていますが、「安全」「安心」が一番の
生鮮食料品の一大拠点であること、また既に移転を前提に準備し、巨額の資金も
動いてしまっているとあっては、一筋縄での解決は望めません。
2年前、首都圏の近くに住む長男を「世界一美味しい魚を食わしてやるよ」と
築地に誘ったのを思い出します。
夕刻、まだ早かったせいか、お薦めの「お寿司15種盛り」をつまみながら
店長との会話が弾みました。
「世界で魚が二番目に美味しい若狭から来ました」
「いやあ、必ずしも築地が一番とは言えませんよ」
「どうしてですか?」
「どうしたって鮮度ではそりゃあ産地にはかないません。若狭が一番でしょう」
「それじゃ、“世界で一番美味しい魚、ふるさと若狭”と言い直すことにします」
(ここは、ふるさと大使の名刺を差し出す絶好の場面です)
店長の話によると、遠くは青森、岩手などからも、乗用車でやって来る客が
いると言いますから驚きです。
それだけ魅力たっぷりの築地ということでしょう。
そもそも、この豊洲への移転問題、前任の知事が辞任してなかったら、
そして、小池氏ではなく、別の人が当選していたら、何の問題も発生せず
移転が進んでいた確率は高いです。
そう考えると、絶妙のタイミングでの都知事選だったということになります。
前任者とは違った角度、視点で物事を検証できる機会として、定期、不定期に
公共機関、民間会社で実施される人事異動があります。
特に銀行、保険、証券といった金融機関では通常2、3年を目途とした早い
サイクルでの異動です。主な狙いは顧客との癒着防止、金銭に絡む事故防止です。
この人事異動、必ずしも業種とは関係なく、早いサイクルで異動する人、
あるいは私のように7年、8年と比較的長く、同じ地に留まる人と様々ですが、
いずれにしても前任者とは違った視点、角度からモノを見て、戦略、戦術に活かし
成果に繋げるという狙いがあります。
着任間もなく、「エッこんなことが?」と驚くことも度々です。
転勤する都度、周りの先輩達が
「まあ、半年、あるいは1年はおとなしくじっと見ていた方がいい」と言います。
「はい、ありがとうございます」と応えますが、もともとこの考え方には否定的で、
いつも、着任したら、原則自分の責任という考え方です。
ですから、前任者を悪者にしたことは一度もありません。
結果的にそうなってしまったことはありますが・・・
逆に、管理不足で後任者に迷惑をかけ、何年も経って
「エッ!それは自分の責任です」と反省したこともあります。
本題に戻ります。
「盛り土の件は空気の流れのように決まった」から一転
「市場長2人を含む部長級6人、計8人の責任を問い懲戒処分」とは今朝の朝刊(11.2)です。
就任早々からの難題に精力的で挑んでおられる小池氏には頭が下がります。
もう一方の難題、五輪会場の見直しに関しては、ど素人の見解で恐縮ですが、
紆余曲折はあるものの、大幅な経費の削減で収束する気配を感じます。
最悪の状態に果敢に挑んだ小池氏でありますが、様々な障壁があるものの、
これらを見事乗り越え、歴史に名を残す都知事誕生に、
これほどの機会はないとも思うのです。
   
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